2026年07月28日

Web運用のヒント

キーワード、検索ボリュームで選んでいませんか?

キーワード、検索ボリュームで選んでいませんか?

検索ボリュームだけでキーワードを選ぶと、AI検索時代には外れます。福岡の当社が自社サイトの掲載順位を13回実測し、語順・意図・検索結果構造の3視点を公開します。

なぜ検索ボリュームだけで選ぶと外れるのか?

検索ボリュームは「何人が検索するか」しか教えてくれません。「その検索結果に自社が入れるか」「入ったとして読まれるか」は別の話です。当社の実測では、ほぼ同じ意味のキーワードでも、語順が違うだけで3ヶ月後の順位が26ポイント離れました。

Keyword Planner の月間ボリュームは、候補を洗い出す出発点としては今も有効です。ただしそれだけで決めると、次の3つを見落とします。

  • 語順 — 「ホームページ制作 福岡」と「福岡 ホームページ制作」は、ツール上は似た数字でも、実際の順位はまったく別に動く
  • 意図の強さ — 「AEO対策とは」と「AEO対策 福岡 費用」では、同じ流入1件でも価値がまるで違う
  • 検索結果の構造 — 上位10件が全部「比較記事」のキーワードは、事業会社のサイトが入る枠がそもそも少ない

▼持ち帰り:ボリュームは「候補を出す」ためだけに使い、「どれを狙うか決める」のは以下の3視点で行う。

語順が違うだけで、順位はどれくらい変わるのか?

当社の実測では、同じ2語・ほぼ同じ意味の組み合わせで、一方は12位台まで上がり、もう一方は38位台まで落ちました。同じキーワードとして1行にまとめて管理してはいけません。

以下は、当社コーポレートサイトのGoogle Search Console 平均掲載順位を、2026-04-18から2026-07-24まで13回記録した実データです。

キーワード 2026-04-18 期間中の最良 2026-07-24
ホームページ制作 福岡 35.9 12.0(05-22・06-26) 28.0(07-20時点)
福岡 ホームページ制作 24.1 21.0(05-22) 38.5
ホームページ制作会社 福岡 31.5 10.4(06-19) 12.3

※数値は各期間の「平均掲載順位」であり、常にこの順位で表示されたという意味ではありません。表示回数が少ない週は数値が大きく振れます。

3行とも「福岡でホームページを作る会社を探している人」を狙った、意味としてはほぼ同じキーワードです。それでも3ヶ月で、1つは31.5→12.3と19ポイント改善し、1つは24.1→38.5と14ポイント悪化しました。同じ施策を打っている同じサイトで、です。

▼追試のしかた:Google Search Console の「検索パフォーマンス」→「クエリ」で対象クエリを1つずつフィルタし、「平均掲載順位」を3ヶ月の折れ線で見ます。語順違いを別々に並べると差がはっきりします。

▼持ち帰り:語順違いは別キーワードとして台帳に分けて記録する。まとめて1行にすると、悪化しているほうが平均に隠れて気づけません。

「効くキーワード」は、どう見分けるのか?

検索意図が「依頼」に近いキーワードほど、順位は上がりやすく、上がったときの価値も大きくなります。当社で3ヶ月以上1位を維持できているのは、ボリュームの小さい3語キーワードでした。

キーワード 語数・性格 2026-04-18〜07-24の推移
採用サイト 制作 福岡 3語・依頼意図 13回中12回が1.0位(残り1回は1.1位)
福岡 採用サイト 2語・依頼寄り 4.4 → 2.0
AI検索最適化 福岡 2語・ニッチ 6.0 → 3.2
ホームページ制作 福岡 2語・ビッグ 35.9 → 28.0

「採用サイト 制作 福岡」は、月間ボリュームでいえば「ホームページ制作 福岡」よりはるかに小さいキーワードです。それでも13回の記録すべてで1位前後を維持できており、しかも検索した人は「福岡で採用サイトを作りたい」とすでに決まっている人です。ボリューム順に並べて上から選んでいたら、真っ先に切り捨てていた候補でした。

▼当社が使っている判定の順番

  • その語で検索する人が次に何をするかを、一言で書けるか(調べる/比べる/頼む)
  • 「頼む」に近い語を、問い合わせ導線のあるページに割り当てているか
  • 「調べる」に近い語は記事側に置き、AIや検索の引用元になることを狙う(問い合わせページに背負わせない)

▼持ち帰り:狙うキーワードを1つ決める前に、「この語で来た人は次に何をするか」を書き出す。書けない語は、まだ狙う段階ではありません。

上位が全部「比較記事」のキーワードは、どうすればいいのか?

オンページの改善だけでは届きません。当社は3ヶ月間の改善を投入しても2語のビッグキーワードを戻せませんでした。原因は自社サイトの中ではなく、検索結果の構造にあります。未達のまま、正直に公開します。

「福岡 ホームページ制作」で実際にGoogleを検索してみてください(2026年7月時点)。上位10件はほぼすべて「福岡のホームページ制作会社◯◯選」形式の比較記事です。制作会社の自社サイトが入る枠が、そもそもほとんどありません。

当社はこの期間、コーポレートサイトに次の改善を実施しています。

  • 画像alt属性を 57/84(68%)から 80/80(100%)へ(2026-06-26 実測)
  • よくあるご質問を8問のアコーディオンにし、FAQPage の構造化データと表示内容を一致させた(2026-06-25)
  • H2見出し「他社との違い」を質問形「〜違いは?」へ変更(2026-06-25)
  • 実績・お客様の声セクションに地域の文脈と対応エリア表記を追加(2026-07-10)

それでも「福岡 ホームページ制作」は 24.1 → 38.5 と悪化しました。改善が無駄だったのではありません。「このキーワードで単一の制作会社サイトが上位に入ること自体が構造的に難しい」、というのが当社の判断です。本命の打ち手は比較記事側への掲載申請ですが、当社もこれはまだ着手できておらず、未達のままです。

▼持ち帰り:狙う前に、そのキーワードで実際に検索して上位10件の「種類」を見る。全部が比較記事なら、自社サイトの改善ではなく、その比較記事に載る動きに時間と予算を振る。

監視するキーワードは、どう決めて記録するのか?

台帳を1つ作り、ページ単位でキーワードを割り当て、週に1回、順位を追記するだけです。当社が実際に運用している台帳は次の形で、無料のGoogle Search Console だけで埋まります。

ページ 公開URL 監視キーワード(3〜5語)
コーポレートサイト https://example.co.jp/ ホームページ制作 福岡/福岡 ホームページ制作/ホームページ制作会社 福岡
採用サイト制作LP https://recruit.example.co.jp/ 採用サイト 制作 福岡/福岡 採用サイト/中途採用サイト制作
ECサイトLP https://ec.example.co.jp/ ECサイト制作 福岡/ECサイト 福岡/ECコンサル 福岡

運用は4ステップです。

  • ページごとに狙うキーワードを3〜5語だけ決める(多いと結局見なくなります)
  • 週に1回、Google Search Console の平均掲載順位を追記する
  • 3ヶ月動かなかったキーワードは、検索結果の種類を見て「捨てる/比較記事側に回す」を判断する
  • 語順違いは絶対に1行にまとめない

当社の台帳では、悪化しているキーワードも消さずに残しています。たとえば「ECコンサル 福岡」は 16.5(05-22)から 21.0(07-24)へ下がったままです。下がった行を消すと、何が効かなかったのかが分からなくなります。

▼持ち帰り:台帳は作った日から3ヶ月経たないと判断材料になりません。始めるなら今日から。

まとめ

AI検索時代のキーワード選定は、検索ボリュームで並べて上から取るやり方では外れます。語順を分けて記録し、検索意図が「依頼」に近い語を問い合わせ導線に割り当て、上位が比較記事だらけのキーワードは戦い方そのものを変える。当社が3ヶ月13回の実測から得た結論はこの3つです。

自社サイトのキーワードが今どの位置にいるか分からない、台帳の作り方から相談したいという方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。現状を拝見し、優先して直すべき1点をお返しします。

よくある質問

検索ボリュームが小さいキーワードを狙う意味はありますか?
あります。当社の実測では、ボリュームの小さい3語キーワードで13回連続1位前後を維持できた一方、ボリュームの大きい2語キーワードは3ヶ月間28位より上に定着しませんでした。依頼意図の強い語のほうが、順位も問い合わせも取りやすいのが実感です。
語順が違うキーワードは、別々に対策が必要ですか?
対策するページは同じで構いませんが、記録は必ず分けてください。当社では同じ意味の2語キーワードが、3ヶ月で一方は19ポイント改善、もう一方は14ポイント悪化しました。1行にまとめて平均していたら、悪化に気づけませんでした。
順位が上がらないキーワードは、いつ諦めればいいですか?
3ヶ月動かず、かつ検索結果の上位10件がほぼ比較記事なら、自社サイトの改善では届きにくいと判断しています。その場合は改善をやめるのではなく、その比較記事に掲載してもらう動きへ切り替えるのが現実的です。
無料のツールだけでどこまでできますか?
Google Search Console、Google Trends、そして実際に検索して上位の種類を目視する。この3つで本記事の判断はすべて行っています。有料ツールは候補出しを速くしますが、判断そのものに必須ではありません。
AI検索での「順位」はどう測るのですか?
AI検索に順位という概念はないため、「引用されたか」を四半期ごとに手で記録しています。未ログイン状態で対象の質問を投げ、回答本文とソース欄に自社が出るかを日付つきで残す方法です。ログイン状態だと結果が個人化されるため、必ず未ログインで確認してください。

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