ネットショップが売れない原因はどこにある?(結論)
ネットショップが売れない原因は1つではなく、「①流入(見られているか)→②商品ページ(見て離脱していないか)→③カゴ・決済(入れて買われているか)→④信頼→⑤リピート」という層になっています。売上は、この漏斗(じょうご)のどこかで漏れています。だからまず、上流から順に「どこで漏れているか」を確かめるのが先で、原因を特定せずに広告を足すのは、穴の空いたバケツに水を足すのと同じです。
福岡でECサイトの制作・リニューアルを手がける当社(株式会社AliveCast)にも、「作ったのに全然売れない」というご相談が最も多く寄せられます。そのほとんどは、原因が層になっているのに「とりあえずSNSで発信しましょう」「広告を出しましょう」で止まってしまっているケースです。この記事では、施策名を並べる前に、自分のショップのどの層で漏れているかを自分で切り分ける方法を、当社の実測値と公式統計をもとに順番に示します。
> この記事の使い方:①→⑤の順に読み、各セクション末尾の「今日できること」を上から実行してください。上の層が詰まっているのに下の層(広告=流入の追加)へ予算を足すと、費用だけがかさみます。
持ち帰り(このセクション):まず「売れない=集客が足りない」と決めつけない。①流入 → ⑤リピートの5層のどこで落ちているかを、順番に確かめると決める。
原因①:そもそも見られていない(流入がない)
最初に確かめるのは「そもそも見られているか」です。ここを飛ばして商品ページやデザインをいじっても、来訪者が数人では売上は動きません。見られているかどうかは、感覚ではなくSearch Console(サーチコンソール)の「表示回数」で確かめられます。表示回数とは、検索結果にあなたのページが出た回数のことです。
判断はシンプルです。
- 表示回数がほぼ0 → 検索の土俵にすら乗っていない=集客(流入)の問題。まずは扱う商品・地域でどんな言葉が検索されているかを見直す。
- 表示回数はあるのにクリックが少ない → 見られてはいるが、タイトルや検索結果の説明文(スニペット)、掲載順位で選ばれていない=入口の見せ方の問題。
「見られている」と「クリックされている」は別
ここは当社自身のサイトで実演できます。当社がコーポレートサイトで追跡しているGSC実測(2026-07-27時点)では、「ecサイト制作 福岡」という検索語で表示回数720・平均掲載順位11.7位・クリック0、「ec サイト 制作 福岡」で表示242・12.2位・クリック0、「ecサイト 福岡」で表示137・20.4位・クリック0という状態がありました。つまり「見られている(表示されている)」のに「次の一歩(クリック)」に落ちていない層が、当社のサイトにも実在します。あなたのショップも、まったく見られていないのか、見られているのに選ばれていないのかで、打つ手がまるで変わります。
順位は週単位で揺れる。1週間で判断しない
もう1つ大事なのが「成果は数か月遅れて表れる」ことです。当社がコーポレートサイトで記録している掲載順位の実測では、「ホームページ制作 福岡」という語の平均順位が35.9位(4/11〜18)→39.8位(4/17〜24)→31位(5/8〜15)→12.3位(5/15〜22)と、週ごとに大きく揺れながら上がっていきました。順位が動いてから、問い合わせや売上という成果に効いてくるまでには、さらにずれ(ラグ)があります。
ECでも同じです。当社のECサービスLPでは、モール型からのリプレイス(作り替え)の場合、経験則として「リニューアル後3か月程度を目安に売上が上がってくる」とご説明しています。したがって「1週間広告を回して売れないから失敗だ」は早計で、まずは先行指標(表示回数・順位・クリック)が動いているかを先に見るのが正解です。福岡でのAliveCastのECサイト制作・リニューアルでも、公開直後の売上そのものより、この先行指標が改善に向かっているかを最初の判断材料にしています。
持ち帰り(原因①):Search Consoleで対象ページの「表示回数」を見る。0に近ければ集客不足、表示はあるのにクリックが少なければタイトル・スニペット・順位を疑う。順位は週単位で揺れるので1週間では判断しない。
原因②:見られているのに商品ページで離脱する
流入はあるのに売れていないなら、次に疑うのは商品ページです。ここで多くの人が「まだ買う段階じゃない=見ているだけ」で離脱します。実際、カゴにすら入れず離脱する理由として「今は買う気がない(just browsing)」は48%にのぼります(eMarketer/Baymard Institute調査、2024-02-07、米成人1,012名)。この「見ているだけ」層を1人でも購入へ動かせるかは、商品ページの情報の出し方で決まります。
土台は「スマホで壊れていないか」
見落としがちなのが、買い手の6割はスマホで見ているという事実です。経済産業省の市場調査(ネットショップ担当者フォーラム/経産省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」2025-08-26公表)によれば、2024年の物販ECのスマホ経由比率は61.7%でした。PCの管理画面できれいに見えていても、実際の買い手が見るスマホ画面で「写真が小さい」「文字が詰まっている」「送料が分からない」状態なら、そこで離脱します。
確認すべきは、専門用語ではなく次の3点です。
- 写真が拡大できるか:素材感・サイズ感が伝わらないと、実店舗のように手に取れないECでは不安が残る。
- 要点が1スクロールで分かるか:サイズ/送料の目安/納期/返品の可否は、スクロールを繰り返さないと分からない状態だと読まれない。
- 価格の見せ方:本体価格だけ大きく、送料が最後まで隠れていると、後述の③で必ず跳ね返ってくる。
ちなみに市場そのものは縮んでいません。同じ経産省調査で2024年の物販系BtoC-EC市場は15兆2,194億円(前年比3.7%増)、EC化率は9.78%と伸びています。「需要が無いから売れない」と結論づける前に、自分のショップの漏斗(②③)を疑うのが先です。
悪い例 → 良い例
- 悪い例:売れない→「とりあえずSNSで発信」「広告を出す」と施策名を並べる。流入があるのかも、どの層で落ちているのかも確かめずに、下流へ水を足す行為で、穴の空いたバケツになる。
- 良い例:まずSearch Consoleの表示回数で「見られているか」を確かめる。表示があるのに売れていないなら、集客ではなく商品ページかカゴで漏れている。そこでは、自分のスマホで主要商品を開き、写真が拡大できるか・送料や返品条件が1スクロールで分かるかを実際に確かめる。
持ち帰り(原因②):自分のスマホで売れ筋商品を3つ開き、写真が拡大できるか、サイズ・送料・納期・返品可否が1スクロールで分かるかを確認する。分かりにくければ、そこが離脱ポイント。
原因③:カートに入れたのに買われない(カゴ落ち)
商品ページを越えてカートに入れてもらえても、そこからが最大の関門です。オンラインの平均カゴ落ち率は約70%(Baymard Institute、2025-09-22時点、50件の調査を集計、平均70.22%)。カートに入れた人の約7割は、買わずに離脱するのが業界の基準値です。ここを1割改善するだけでも、広告費を足すより効くことがよくあります。
最大の離脱理由は「想定外の追加コスト」
では、なぜ離脱するのか。理由の第1位は「送料・税・手数料など追加コストが高すぎる」で48%です(eMarketer/Baymard、2024-02-07)。購入直前に想定外の上乗せが出ると、人は離脱します。同じ調査では、ほかにも次の理由が上位に並びます。
| カゴ落ちの理由 | 割合 |
|---|---|
| 追加コスト(送料・税・手数料)が高すぎる | 48% |
| 今は買う気がない(見ているだけ) | 48% |
| 配送が遅い | 21% |
| 会員登録を強制される | 19% |
| 決済フローが長い・複雑 | 18% |
(出典:eMarketer/Baymard Institute、2024-02-07、米成人1,012名)
ここから読み取れる打ち手は明確です。送料をカゴの最後で初めて出す・会員登録を強制する・入力欄を増やすほど、買われなくなります。送料は商品ページの段階で目安を示す、ゲスト購入を用意する、入力項目を削る——これらは大きな開発をしなくても着手できることが多い改善です。
「希望の決済手段が無い」は確実な取りこぼし
もう1つの漏れが決済手段です。国内のEC決済で最も使われているのは今もクレジットカードで68%、次いでコード決済アプリ(PayPay等)が27%です(ネットショップ担当者フォーラム/インフキュリオン決済動向調査、2025-04、16〜69歳2万人対象)。しかも決済手段は年齢層で割れます。買い手の主要な決済手段を載せていないと、その分だけ確実に落ちます。
なお、決済手段の割合は調査主体と時点で変わります。たとえば古い調査(SBペイメントサービス、2018-12、通販購入者1,986名)ではクレジットカードが79.1%と突出し、コンビニ決済6.6%・代引3.0%などと続きました。「クレカが中心だが、年齢層で手段が多様化していく」という構造の裏づけとして押さえ、最新の割合は2025年のインフキュリオン調査を優先してください。
自分でカートに入れて、決済直前まで進める
カゴ落ちは「自分で買ってみる」のが一番確実な点検です。実際にカートに商品を入れ、決済直前まで進めて、次を実測してください。
1. 送料が最後まで隠れていないか(商品ページで目安が分かるか)
2. クレジットカードとコード決済(PayPay等)が両方選べるか
3. 会員登録を強制していないか・入力欄が多すぎないか
カゴ落ち率は、カート投入数と購入完了数の比でおおよそ把握できます。
> 注:Baymardのカゴ落ち率70.22%・追加コスト48%は主に海外(米国)のデータで、日本単独・業種別の値ではありません。傾向の裏づけとして使い、自社の数値はご自身のカート投入数と購入数から確かめてください。
持ち帰り(原因③):自分のショップで実際にカートに入れ、決済直前まで進める。(a)送料が最後まで隠れていないか (b)クレカとコード決済が選べるか (c)会員登録を強制していないか——この3点を実測する。
原因④:買う手前で不安になる(信頼が足りない)
ECは実店舗と違い、相手の顔が見えません。だからこそ「ここで買って大丈夫か」という不安が、③のカゴ落ちを増やします。初めての店なら、なおさらです。難しい施策は要りません。買い手が探す情報が、探さずに見つかるかを点検します。
- 会社情報・運営者情報が分かるか
- 返品・交換の条件、特定商取引法に基づく表記が見つかるか
- レビューや購入者の声が見えるか(ただし、やらせや自作自演は逆効果。実在の声だけを載せる)
これらが見当たらないと、買い手は「怪しい」と判断して離脱します。逆にいえば、既にある情報を見つけやすい場所に置き直すだけで改善できることが多い層です。
持ち帰り(原因④):初めての来訪者になったつもりで、会社情報・返品条件・特商法表記・レビューが「探さずに」見つかるかを確認する。見つけにくければ、フッターや商品ページの近くへ置き直す。
原因⑤:買われるが続かない(リピートがない)
新規で1回買ってもらえても、そこで途切れると、集客コストばかりかかり続けます。2回目につながる理由を用意しているかが、続くショップとの分かれ目です。
- 同梱物:商品に、次回の案内やちょっとした使い方メモを入れているか
- 再訪の理由:買った人が「また来る」きっかけ(購入後のフォロー、活用情報)があるか
- 買った人への配信:一度買った人へ、押し売りにならない範囲で新着や活用法を届けているか
ここは即効性より積み上げの領域です。①〜④の漏れを止めてから着手すると、効果が見えやすくなります。
持ち帰り(原因⑤):直近の発送を1件思い出し、「次にもう一度買う理由」を何か1つ同梱・案内しているかを確認する。何もなければ、次回使えるお礼や活用メモを1枚から始める。
リニューアルを判断すべきタイミング(直す順番を間違えないために)
ここまでの①〜⑤を確かめると、「部分改善で足りるのか、作り替え(リニューアル)が必要なのか」が見えてきます。判断の原則は1つ。上流(①流入・②商品ページ)が詰まったまま、下流(広告)へ予算を足さないことです。
リニューアルを前向きに検討すべきなのは、たとえば次のような場合です。
- スマホで商品ページやカゴが構造的に崩れていて、部分修正では直しきれない
- 決済手段の追加やゲスト購入の実装が、今の仕組みでは難しい
- モール(楽天・Amazon等)に依存していて、自社の顧客リストや改善の自由度を持てていない
こうした「作り替えないと直せない」層に来たら、リニューアルの出番です。当社が福岡で提供しているのは、モール型からの乗り換え(リプレイス)・リニューアル、発注前の市場・競合・ターゲット調査、SEOの内部対策(E-E-A-T)、公開後の分析・改善提案、そして業務特性に応じたカスタム機能(例:YES/NOで商品を絞り込む購入ナビ、商品と連動したレシピ表示)の実装です。詳しくは福岡でのECサイト制作・リニューアルのページで、実際の考え方をご覧いただけます。
一方で、決済システムや物流システムそのものの新規開発、モールプラットフォームの構築は当社の打ち出しではありません。ここは要件(商材・客単価・在庫・物流・決済構成・リニューアル範囲)によって最適な形が変わるため、一律の正解はなく、「要件による」としか言えない領域です。「必ず◯倍になる」「この機能を入れれば売れる」といった断定は、成果を保証するものではありません。当社の「3か月目安で売上が上がってくる」も、あくまで自社LPに記した経験則・個別事例であり、確約された数値ではない点は正直にお伝えしておきます。
持ち帰り(リニューアル判断):①〜⑤のうち「部分修正では直せない」と判断した層が2つ以上あるなら、リニューアルを検討候補にする。1つ以下なら、まず該当層のピンポイント改善から着手する。
よくある質問
ネットショップが売れない一番の原因は何ですか?
原因は1つではなく、①流入②商品ページ③カゴ・決済④信頼⑤リピートの層に分かれます。まずSearch Consoleの表示回数で「見られているか」を確かめ、上流から順にどこで漏れているかを切り分けるのが先です。原因を特定せずに広告を足すのは、穴の空いたバケツに水を足すのと同じです。
カゴ落ちの原因で最も多いのは何ですか?
送料・税・手数料など「想定外の追加コストが高すぎる」が第1位で48%です(Baymard/eMarketer、2024-02)。オンラインの平均カゴ落ち率は約70%(Baymard、2025-09時点)。送料を購入直前で初めて出す、会員登録を強制する、入力を増やすほど買われにくくなります。
ECサイトで用意すべき決済手段は?
国内のEC決済はクレジットカードが68%と最多、次いでコード決済アプリ(PayPay等)が27%です(インフキュリオン、2025-04)。決済手段は年齢層で割れるため、主要な手段を載せていないとその分だけ確実に取りこぼします。割合は調査時点で変わるので最新値を確認してください。
リニューアルすれば売上は上がりますか?
上がると保証はできません。効果は数か月遅れて表れ、当社の経験則でもリプレイス後3か月程度を目安に売上が上がってくるケースがあります。「◯倍」などの固定の数値は商材・客単価・在庫・物流・決済構成で幅が出るため書けません。まず①〜⑤で漏れている層を特定し、部分修正で足りるかを見極めてください。
福岡でECサイトの制作・リニューアルを相談できますか?
はい。当社は福岡でモール型からの乗り換え・リニューアル、事前の市場/競合/ターゲット調査、SEO内部対策、公開後の分析・改善提案、業務特性に応じたカスタム機能の実装を行っています。決済・物流基盤の新規開発やモール構築そのものは扱っておらず、その領域は要件により最適解が変わります。
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ネットショップの売上は、施策名を並べるより先に「どの層で漏れているか」を切り分けることで動き出します。自社の漏斗を一緒に点検し、直す順番を整理したい方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

