Web運用のヒント ホームページ費用に使える補助金、正しく知っていますか?
2026年07月22日
結論:ホームページ制作に「IT系補助金」は原則使えない
ホームページに使える補助金は、目的で決まります。情報発信のためのHP(会社案内・LP・ブログ)を作るなら、国の主力は「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)」です。名前が紛らわしい「IT系補助金」=2026年に旧IT導入補助金から改称した『デジタル化・AI導入補助金2026』は、HP制作費が原則対象外(制度の目的が“業務プロセスの効率化”のため)。予約・在庫・受発注・AIチャットボットなど“業務システム”を入れる部分だけ、そのツールのライセンス費が対象になり得ます。「ITだからHP制作に使える」は誤解です。
> ※ 本記事は2026年7月28日時点で確認した公式情報にもとづきます。補助金は公募回ごとに条件が変わり変動が激しいため、金額・締切・対象経費は必ず申請時点の公式公募要領(原本)で再確認してください。
そもそも「IT系補助金」でホームページは作れる?
結論から言うと、原則作れません。 2026年の『デジタル化・AI導入補助金2026』は、旧「IT導入補助金」の後継制度です。中小企業庁(ミラサポplus)は制度目的を「中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上のため、デジタル化やDX等に向けたAIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援」と明記しています(デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開|中小企業庁 ミラサポplus, 2026-03-10)。
つまり狙いは「業務プロセスをデジタルで効率化すること」であって、「会社の情報を発信すること」ではありません。そのため、次のような情報発信が主目的のホームページは制度目的に合致せず、原則として補助の対象外になります。
- コーポレートサイト・会社案内サイト
- ランディングページ(LP)・ブログ
- WordPress の初期構築費・デザイン費
- ドメイン取得費・SEO対策費
例外:業務システムを“載せる”場合
ただし例外があります。予約管理・受発注・在庫管理・AIチャットボットのような「業務システム(ITツール)」を導入する場合、そのツールのライセンス費は対象になり得ます。ここで大事なのが線引きです。対象になるのは“ツール本体のライセンス費”であって、“そのツールを載せるサイトの制作費”ではありません(参考:デジタル化・AI導入補助金でホームページ制作はできない|AI導入補助金ナビ)。
たとえば「予約システムを入れた店舗サイト」を作る場合、予約システムのライセンス費は対象になり得ますが、サイトのデザインやコーディングそのものは対象外、という考え方です。対象可否は事務局の運用や登録ITツールによって変わるため、個別ケースは事務局・登録支援事業者に確認するのが確実です。
今日の持ち帰り:あなたのやりたいことが「情報を届けるHP」なのか「業務を効率化する仕組み」なのかを、まず一言で言い切ってみてください。前者なら次章の持続化補助金へ、後者ならデジタル化・AI導入補助金へ進みます。
ホームページの費用に使える国の補助金は?
情報発信のHPに国の補助を使うなら、主力は「小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)」です。 これは「経営計画にもとづく販路開拓・生産性向上の取組」を支援する制度で、その経費の一区分としてホームページ制作費(ウェブサイト関連費)を申請できます。通常枠の補助上限は50万円、補助率は2/3です。
ポイントは、持続化補助金は「HPを作るための補助金」ではなく「販路開拓のための補助金」だということ。HPはあくまで販路開拓の“手段のひとつ”という位置づけです。この考え方が、次章の「単独申請できない」という条件につながります。
今日の持ち帰り:HPを「作りたいもの」ではなく「何のために作るか(誰に何を届けて、どう売上につなげるか)」の販路開拓ストーリーで説明できるように、経営計画のメモを1枚用意しておきましょう。審査はこの計画を見ます。
第20回で何が変わった? ウェブサイト関連費の新ルール
2026年5月27日に公開された第20回公募から、ウェブサイト関連費のルールが大きく変わりました。 ここは発注側が最も誤解しやすいポイントなので、表で整理します。
| 項目 | 第19回まで | 第20回から |
|---|---|---|
| ウェブサイト関連費の上限 | 補助金交付申請額の1/4・最大50万円 | 上限30万円(税込)の定額 |
| 単独申請 | — | 不可(他経費との組み合わせが必須) |
| Web広告・動画制作 | ウェブサイト関連費 | 「広報費」区分に整理 |
(出典:持続化補助金でホームページが作成できる?広報費・ウェブサイト関連費を解説|そよぎ行政書士事務所, 2026-06-11/公式告知:「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)」の公募要領を公開しました|中小企業庁, 2026-05-27)
つまり、押さえるべき変更は3つです。
- ウェブサイト関連費は上限30万円(税込)の定額になった。
- ウェブサイト関連費“だけ”では申請できない。チラシ・展示会出展などの他の販路開拓経費と組み合わせた経営計画が必要。
- Web広告・動画制作費は「広報費」区分に移った。どの経費区分で申請するかで上限の当たり方が変わる。
なぜ「区分」を気にする必要があるのか
補助金は「総額いくら」だけでなく「どの費目にいくらまで」という上限が費目ごとにあります。第20回のように区分の整理が変わると、同じ“Web関連の支出”でも当たる上限が変わります。だからこそ、公募回ごとに最新の公募要領で経費区分と上限を必ず確認することが欠かせません。上の数値も第20回時点のもので、次回以降に再び変わり得ます。
今日の持ち帰り:申請を考えたら、まず中小企業庁の第20回公募要領ページから公募要領PDFの原本を開き、「ウェブサイト関連費」「広報費」の欄を自分の目で確認してください。解説記事は入口、判断の根拠は必ず原本に置きます。
電子申請の「GビズIDプライム」はいつ取ればいい?
答え:企画段階で、締切の1か月以上前に取得してください。 持続化補助金もデジタル化・AI導入補助金も、電子申請には「GビズIDプライム」というアカウントが必須です。そして発行までおおむね2週間かかります(申請を行う前に必要な手続き|デジタル化・AI導入補助金2026 公式ポータル(中小機構)/GビズID(公式))。
よくある失敗が「申請直前にGビズIDを取ればいい」と考えて、締切に間に合わないケースです。マイナンバーカード+スマホのオンライン申請なら最短即日のケースもありますが、余裕をもって早めに取得しておくのが安全です。
さらにデジタル化・AI導入補助金では、IPAの「SECURITY ACTION(★一つ星/★★二つ星)」の宣言も要件です(アカウントID発行までおおむね2〜3日)。枠は通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠などがあり、いずれの枠でもGビズIDプライムが必要です。
今日の持ち帰り:やると決めた日にまずGビズIDのアカウント申請を出しておきましょう。デジタル化・AI導入補助金を狙うなら、SECURITY ACTIONの宣言も同時に済ませておくと締切前の詰まりを防げます。
福岡の事業者はどこに相談すればいい?
福岡市内の事業者は、まず事業所の所在地を管轄する商工会議所・商工会に相談してください。 持続化補助金は経営計画づくりが審査の中心なので、その計画づくりから地元の窓口でサポートを受けられます。福岡市の案内によると、申請窓口は所在地で分かれます(小規模事業者持続化補助金について|福岡市)。
| 所在地 | 窓口 |
|---|---|
| 東・博多・中央・南・城南・早良・西の各区 | 福岡商工会議所 |
| 早良区の一部 | 早良商工会 |
| 東区の一部 | 志賀商工会 |
福岡商工会議所の問い合わせ先は、東部・中央 092-441-2161/南部 092-562-4117/西部 092-831-4151 です(同ページより)。
また、国の補助金とは別に、自治体独自のホームページ補助(上限5〜20万円規模)が用意される年もあります。ただし自治体独自補助は年度によって有無が変わるため、国×自治体の併用が可能かどうかも含めて、地元の窓口で最新の状況を確認するのが実務的なルートです。
今日の持ち帰り:自社の所在地から上の表で窓口を特定し、電話で「持続化補助金でHPを含む販路開拓を考えている」と伝えて、直近の公募回と相談日程を押さえましょう。
目的別の使い分け(悪い例→良い例)
最後に、いちばん大事な“使い分け”を具体例で示します。
悪い例①:「IT系だから」とIT導入補助金(現・デジタル化・AI導入補助金)でコーポレートサイトの制作を制作会社に依頼 → 制度目的が業務効率化のため、情報発信が主目的のHP制作費は原則対象外で、対象外・不採択になる。
良い例①:目的で補助金を分ける。
- 情報発信のHP(会社案内・LP・ブログ)→ 持続化補助金の「ウェブサイト関連費」(上限30万円・単独申請不可なので他の販路開拓経費と組み合わせ)。
- 予約システムやAIチャットボットなど業務システムを入れる部分→ デジタル化・AI導入補助金で、そのツールのライセンス費を対象にする。
悪い例②:「申請直前にGビズIDを取ればいい」 → 発行におおむね2週間かかり、締切に間に合わない。
良い例②:企画段階でGビズIDプライムを取得済みにしておく。
まとめると、切り分けの基本は「HPそのものを作る」なら持続化補助金、「AI・業務システムを入れて生産性を上げる」ならデジタル化・AI導入補助金です。
今日の持ち帰り:自社のやりたいことを「情報発信」と「業務効率化」の2つに紙の上で仕分けし、それぞれに対応する補助金・経費区分・窓口を書き添えてみてください。この1枚が、制作会社や商工会議所との相談を一気に速くします。
ホームページの目的整理や、補助金を見据えたサイト設計についてのご相談は、福岡のWeb制作・AEO対策会社 株式会社AliveCast へお気軽にどうぞ。お問い合わせはこちらから承っています。
※本記事は補助金の申請代行・採択を保証するものではありません。最新の対象経費・上限・締切・併用可否は、必ず各制度の公式公募要領(原本)および所管窓口でご確認ください。
よくある質問
IT導入補助金でホームページは作れる?
ホームページに使える補助金は?
持続化補助金とIT系補助金の違いは?
持続化補助金でホームページだけを申請できる?
GビズIDはいつ取ればいい?
Webサイトの運用・AI検索(AEO)対策でお困りではありませんか?
「何から手をつければいいか分からない」「更新やAI検索(AEO)対策を任せたい」——福岡のホームページ制作会社 AliveCast が、貴社サイトの現状に合わせて無料でご相談を承ります。
週2回・1分で読める「Web運用のヒント」をメールで
WordPressの緊急更新、Google検索の仕様変更、補助金の締切など、発注者・Web担当者が「今動くべきこと」だけを福岡の制作会社 AliveCast が要約してお送りします。登録は無料、各号から1クリックで停止できます。




