2023年11月17日

新卒向け

IT企業で活躍するためのコミュニケーション: 情報過多時代は報連相ができないとトラブル続出


IT企業で働くということは、チームでプロジェクトを進めるということです。チームで仕事をする上で、欠かせないスキルの一つが『報連相』です。報連相とは、報告・連絡・相談の略で、自分の状況や意思を上司や同僚に伝えることです。この記事では、報連相とは何か、情報過多の時代に報連相はなぜ重要なのか、報連相でありがちな間違い、報連相の順番は「相談→連絡→報告」が良いのはなぜか、などについて新卒社員が習得すべきことを解説します。

報連相とは何か?

報連相とは、以下のような意味を持ちます。

報告 自分が行った行動や得た結果を伝えること。
連絡 自分が知っている情報や予定を伝えること。
相談 自分が困っていることや決められないことを伝えて助言を求めること。
報連相の意味
?

自分が行った行動や得た結果を伝えること。

?

自分が知っている情報や予定を伝えること。

?

自分が困っていることや決まられないことを伝えて助言を求めること。

報連相は、自分の仕事の進捗や状況を上司や同僚に共有することで、チーム内の情報共有やコミュニケーションを円滑にするためのスキルです。報連相をしっかり行うことで、以下のようなメリットがあります。

  • 上司や同僚から信頼される
  • ミスやトラブルを防ぐ
  • 指示やフィードバックを得やすくなる
  • 自分の成果や貢献をアピールできる
  • チームワークや協力関係を強化できる

情報過多の時代に報連相はなぜ重要なのか?

情報過多により、情報が飛び交うなかで仕事をしている男性社員
現代社会は情報過多の時代と言われています。インターネットやSNSなどの発達により、私たちは常に多くの情報に触れています。しかし、その中には必要な情報だけでなく、不必要な情報や誤った情報も含まれています。また、情報があまりにも多すぎると、それを処理する能力が追いつかずに疲弊してしまうこともあります。このような情報過多の時代において、報連相は非常に重要なスキルです。なぜなら、以下のような理由があるからです。

  • 報連相は、必要な情報だけを適切なタイミングや方法で伝えることで、情報の質や効率を高めることができます。
  • 報連相は、自分の仕事に関する情報だけでなく、自分の考えや感情も伝えることで、人間関係やコミュニケーションスキルを向上させることができます。
  • 報連相は、自分だけで抱え込まずに他者に助けを求めることで、ストレスや不安を軽減することができます。

報連相でありがちな間違い

報連相は、IT企業で働くために必要なスキルですが、実際にはなかなかうまくできないことも多いです。報連相でありがちな間違いは以下のようなものです。

報告や連絡をしない

自分の仕事は自分でやればいいと思って、上司や同僚に何も伝えないことです。これは、自分の仕事が他の人に影響を与えているかどうかを考えずに行動していることになります。結果的に、チーム内の情報共有ができずにミスやトラブルが発生する可能性が高くなります。また、仕事の区切りがついてから、報告ではなく、3割ほど進んだときに方向性は間違っていないかを確認するのも重要です。もし間違っていたら、早めに軌道修正ができてムダな時間を減らすことができます。

報告や連絡が遅れる

自分の仕事の進捗や状況を伝えるタイミングを逃してしまうことです。これは、自分の仕事が他の人の仕事に影響を与えているタイミングを把握していないことになります。結果的に、チーム内のスケジュールや調整が乱れてしまう可能性が高くなります。

報告や連絡が多すぎる

自分の仕事の細かいことまで伝えすぎることです。これは、自分の仕事が他の人にどれだけ関係しているかを判断できないことになります。結果的に、チーム内の情報過多やノイズが増えてしまう可能性が高くなります。

相談をしない

自分が困っていることや決められないことを伝えずに、自分で解決しようとすることです。これは、自分の力だけで仕事ができると思って過信していることになります。結果的に、自分の負担が増えたり、間違った判断をしたりする可能性が高くなります。

相談が多すぎる

自分が困っていることや決められないことを伝えすぎて、他人に任せきりにすることです。これは、自分の責任感や判断力が低いことになります。結果的に、他人の負担が増えたり、自分の成長が止まったりする可能性が高くなります。

報連相の順番は「相談→連絡→報告」が良いのはなぜか?

報連相は、一般的に「報告→連絡→相談」という順番で行われることが多いです。これは、業務が定型化している場合(特に昭和の時代という過去)には、有効です。しかし、この順番では以下のような場合には問題があります。

  • 新しい仕事や難しい仕事に取り組むとき
  • 判断に迷うとき
  • トラブルが発生したとき
  • 上司や先輩のアドバイスが必要なとき

上記の場合は、自分でどのような対応をした仕事をするのが良いかわかりません。VUCAの時代に突入した今では、定型業務はRPAなどを使い自動化され、今まで経験したことがないさまざまな仕事をこなす必要があります。よってほとんどの仕事は相談から始まる「相連報」の順番で始めないといけないのです。まだ仕事に慣れていない新卒の社員は、全ての業務で「相連報」をするのは、基本であるということは言うまでもありません。

報連相の順番を「相談→連絡→報告」とすることが良いという考え方は以下のようなメリットがあります。

  • 相談は、自分が困っていることや決められないことを最初に伝えることで、上司や同僚からの助言や支持を得やすくなります。これにより、仕事の進め方や仕事のゴールの設定ミスなどを防ぐことができます。また、自分の仕事に対する意思や主体性が伝わりやすくなります。
  • 連絡は、自分が知っている情報や予定を次に伝えることで、上司や同僚からの協力や協調を得やすくなります。また、自分の仕事に対する意見や提案が伝わりやすくなります。
  • 報告は、自分が行った行動や得た結果を最後に伝えることで、上司や同僚からのフィードバックや指示を得やすくなります。また、自分の仕事に対する解決策や決断が伝わりやすくなります。

「報連相」の順番ではなく、「相連報」の順番で行うことで、助言を得られミスが減り、協力やフィードバックが得られることが図で描いている

このように、相談→連絡→報告の順番では、自分の仕事に対する責任感や判断力も高まります。また、チーム内の情報共有やコミュニケーションがスムーズになります。これは、IT企業で働く上で有利になることです。

報連相をする時に気を付けるポイント

社員と上司が向かい合って、報連相で気を付けるポイントである5つの項目をふきだしで表記している

報連相をする時に気を付けるポイントは以下のようなものです。

①自分の目的や要求を明確にする

報連相をする時には、自分が何を伝えたいのか、何を求めているのかを明確にすることが大切です。そのためには、自分の目的や要求を具体的かつ簡潔に言語化することが必要です。例えば、「プロジェクトの進捗状況を報告します」というよりは、「プロジェクトの進捗状況は○○%です。次のステップは△△です。ご確認ください」という方が明確です。

②相手の立場や状況を考える

報連相をする相手は、上司だけではありません。同僚や部下、クライアントやユーザーなど様々な人と関わることがあります。そのため、報連相をする時には、相手の立場や状況を考えて、必要な情報だけを適切なタイミングや方法で伝えることが大切です。

③主観ではなく客観で伝え誤解を防ぐ

仕事では情報を正確に伝えることが大事です。主観的な事を伝えると、相手の主観と異なる場合があります。例えば「大きい/小さい」「きれい/汚い」など形容詞的な表現は間違いが起こる可能性があります。また会社でよく起こりがちなのは、「〇日までに仕上げます」と伝えると、〇日の翌日までにできているのか、〇日の朝に出来ているのかわかりません。「〇日16時までに仕上げます」というと間違いがありません。

④相手の反応や理解度を確認する

報連相をした後には、相手の反応や理解度を確認することが大切です。そのためには、相手に質問したり、フィードバックを求めたり、確認のメールを送ったりすることが必要です。例えば、「相談したいことがあります」と言った後には、「相談内容は分かりましたか?」「どう思いますか?」「何かアドバイスはありますか?」というように質問することで、相手の反応や理解度を確認できます。

⑤「言った」「言わない」を防ぐ

約束したことを口頭で行うと、これもトラブルの原因となります。必ずメモをして相手にも共有することが大事です。約束したことが上司に対してであれば、上司の勘違いであったとしても、こちらが折れるしかなくなるのです。今は、社内でもチャットツールが一般的になっているので、約束したことが間違いないかを相手に送り、相手が確認したことも確認することが重要です。

報連相の実践と実践しない場合の具体的な例

パソコンの前で、トラブルに動揺している女性社員
報連相をきちんと実践した場合としなかった場合の例を以下に示します。

報連相を実践した場合の例

  • 伊藤さんは、IT企業でウェブサイトの開発を担当しています。三木さんは、伊藤さんの上司です。
  • 伊藤さんは、ウェブサイトの開発において、デザインや機能について悩んでいました。そこで、伊藤さんは、三木さんに相談しました。「三木さん、ウェブサイトの開発について相談したいことがあります。デザインや機能について、どのような方針で進めるべきか迷っています。クライアントの要望やユーザーのニーズを考えると、以下のような選択肢があります。どれが良いと思いますか?」
  • 三木さんは、伊藤さんの相談に応じて、自分の意見やアドバイスを伝えました。「伊藤さん、ウェブサイトの開発について相談してくれてありがとう。デザインや機能については、私も悩んだことがあります。クライアントの要望やユーザーのニーズを考えると、私は○○という選択肢が良いと思います。理由は以下の通りです。ただし、これは私の個人的な意見です。最終的な決定は伊藤さんに任せます。」
  • 伊藤さんは、三木さんの意見やアドバイスを参考にして、自分の決断をしました。「三木さん、デザインや機能について意見やアドバイスをくれてありがとうございます。私も○○という選択肢が良いと思いました。理由は三木さんと同じです。では、この方針で開発を進めます。」
  • 伊藤さんは、ウェブサイトの開発を進めて、完成させました。その後、伊藤さんは、三木さんに報告しました。「三木さん、ウェブサイトの開発が完了しました。以下のURLからご覧ください。クライアントからも好評でした。三木さんのおかげです。ありがとうございます。」
  • 三木さんは、伊藤さんの報告に対して、フィードバックや指示を伝えました。「伊藤さん、ウェブサイトの開発お疲れさまでした。URLから確認しました。素晴らしい出来栄えですね。クライアントからも好評だったと聞いて嬉しいです。伊藤さんの成果や貢献を高く評価します。次のプロジェクトでは△△を担当してもらえますか?よろしくお願いします。」

報連相を実践しなかった場合の例

  • 中村さんは、IT企業でウェブサイトの開発を担当しています。西さんは、中村さんの上司です。
  • 中村さんは、ウェブサイトの開発において、デザインや機能について悩んでいました。そこで、中村さんは、自分で決めてしまいました。「西さんに相談するのは面倒だし、自分の判断でやればいい」と思って、自己判断という選択肢を選びました。
  • 中村さんは、ウェブサイトの開発を進めて、完成させました。その後、中村さんは、西さんに報告しませんでした。「西さんに報告するのは時間の無駄だし、自分の仕事は自分でやればいい」と思って、そのまま次のプロジェクトに移りました。
  • 西さんは、中村さんのウェブサイトの開発が完了したことを知りませんでした。西さんは、中村さんに連絡しました。「中村さん、ウェブサイトの開発はどうなっていますか?クライアントから納品の確認が来ています。URLを教えてください。」
  • 中村さんは、西さんからの連絡に返事しました。「西さん、ウェブサイトの開発はもう終わっています。URLはこちらです。クライアントに納品してください。」
  • 西さんは、中村さんからの返事に驚きました。「中村さん、ウェブサイトの開発が終わっていたとは知りませんでした。なぜ報告しなかったのですか?URLを確認しましたが、デザインや機能がクライアントの要望と全く違います。どういうことですか?」
  • 中村さんは、西さんからの返事に反論しました。「西さん、報告する必要はないと思いました。デザインや機能は自分で決めました。クライアントの要望よりも良いと思います。」
  • 西さんは、中村さんからの返事に怒りました。「中村さん、報告する必要がないと思ったのは間違いです。デザインや機能を自分で決めたのも間違いです。クライアントの要望を無視したらダメです。このままではクライアントに納品できません。すぐに修正してください。」
  • 中村さんは、西さんからの返事に不満を感じました。「西さん、修正する必要はないと思います。デザインや機能は自分の判断で正しいと思います。クライアントの要望は古臭くてダサいです。」
  • 西さんは、中村さんからの返事に呆れました。「中村さん、修正しないと納品できません。デザインや機能は自分の判断で正しくないということを理解してください。クライアントの要望は尊重しなければなりません。このままでは、クライアントとの信頼関係が失われます。それに、チーム内の情報共有やコミュニケーションもできていません。あなたの仕事に対する責任感や判断力が低いと思われます。今後は報連相をしっかり行ってください。」

このように、報連相を実践しなかった場合、以下のようなデメリットがあります。

  • 上司や同僚から信頼されない
  • ミスやトラブルを招く
  • 指示やフィードバックを得られない
  • 自分の成果や貢献をアピールできない
  • チームワークや協力関係を損なう

報連相を学ぶための方法

報連相が上手な女性がほほ笑む上司に対してコミュニケーションをしている

報連相を学ぶために役立つ書籍や方法を以下に紹介します。

書籍

『会社では教えてもらえない 上に行く人の 報連相のキホン』ー車塚 元章

報連相の基本的な考え方や具体的な方法をわかりやすく解説した書籍です。事例や、報連相のメリット、デメリットなどが豊富に紹介されています。会社では教えてもらえない 上に行く人の 報連相のキホン

『[ポイント図解] ホウレンソウ[報告・連絡・相談]の習慣が面白いほど身につく本』ー今井 繁之

IT企業のように、複数の人間が集まり、共同で仕事をする際に、上司と部下、関連する部署間の連携プレーをスムーズするポイントをシンプルに、わかりやすくまとめています。双方向のコニュニケーションをより良いものへと導いてくれています。[ポイント図解] ホウレンソウ[報告・連絡・相談]の習慣が面白いほど身につく本

メンター

  • 上司や先輩
    報連相を学ぶためには、上司や先輩から直接的に指導や助言を受けることが有効です。上司や先輩は、自分よりも経験や知識が豊富であり、報連相のコツやノウハウを教えてくれる可能性が高いです。また、上司や先輩は、自分の仕事の評価やフィードバックを行う立場でもあるので、報連相をする相手としても重要です。
  • 同僚や友人
    報連相を学ぶためには、同僚や友人から間接的に学ぶことも有効です。同僚や友人は、自分と同じレベルや立場であり、報連相の課題や悩みを共有できる可能性が高いです。また、同僚や友人は、自分の仕事の協力者や相談者としても重要です。

この記事を読んで、報連相について学ぶことができましたか?報連相は、IT企業で働くために必要なスキルの一つです。報連相をしっかり行うことで、仕事の効率や品質を高めることができます。これにより、人間関係やコミュニケーションスキルも向上させることができます。報連相を学ぶためには、書籍やオンラインコース、メンターなどの方法を活用することがおすすめです。報連相をマスターして、IT企業で活躍しましょう!

?