2026年07月11日

Webマーケティング

llms.txtは必要か?Google公式の明言と実測

llms.txtは設置すべきか?

llms.txtはGoogle検索では無視されます。Googleが公式に明記しており、設置しても表示や順位は変わりません。ChatGPT等が読むかは各社とも未公表です。SEO・AEOの費用をかける対象ではありません。

以下、根拠を一次情報と実測で示します。なお本記事は2026年8月11日に全面的に書き改めました。 以前の版では設置を推奨していましたが、Google公式の記述を確認して方針を改めています。その経緯も本文に正直に記載します。

llms.txtとは何か — 「標準」ではなく「提案」

llms.txt(読み方は「エルエルエムエス・ドット・テキスト」)は、サイト直下に置くMarkdown形式のテキストファイルで、AI(大規模言語モデル)にサイトの要点を伝えることを目的としています。

ただし前提として押さえるべき点があります。これは標準化団体が承認した仕様ではありません。 提唱元であるllmstxt.org自身が、見出しで「A proposal to standardise on(標準化の提案)」と述べ、本文でも「We propose adding a /llms.txt markdown file to websites to provide LLM-friendly content.」と書いています。あくまで提案です。

提案者はJeremy Howard氏、初版は2024年9月3日の公開。2026年8月10日にv2へ改訂されています。つまりまだ動いている提案であり、固まった仕様ではありません。

持ち帰り:「業界標準なので入れましょう」という説明を受けたら、その根拠を確認してください。標準ではありません。

Googleは何と言っているか(公式原文)

ここが最も重要です。Googleは検索セントラルの日本語ドキュメントで、次のように明記しています。

> LLMS.txt ファイル(または同様のファイル)を作成して、これらのファイルを使用するほかのサービスやシステムのために維持することにしても、まったく問題ありません。Google 検索ではそれらは無視されるため、サイトの Google 検索での表示やランキングに影響することはありません。

出典:Google検索セントラル「AI 最適化ガイド」(2026年7月14日更新)

同じドキュメントは、構造化データについても踏み込んでいます。

> 生成 AI 検索に構造化データは必須ではありません。 また、特別な schema.org のマークアップを追加する必要もありません。

さらに別ページでは、AIによる概要(AI Overview)への表示についてこう書いています。

> AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。

出典:Google検索セントラル「AI 機能とサイト」(2025年12月31日更新)

持ち帰り:Googleに関する限り、llms.txtの効果はゼロだと公式が言い切っています。「AI検索対策としてllms.txtを設置します」という提案に費用を払う理由はありません。

実測:主要サイトは本当に置いているのか

「大手も導入している」という説明を見かけます。実際に確認しました。2026年8月11日時点で、各サイトの `/llms.txt` にアクセスした結果です。

サイト /llms.txt の応答
docs.anthropic.com(Claude開発者ドキュメント) 200 OK(約57KB)
developers.cloudflare.com 200 OK(約15KB)
platform.openai.com 404 Not Found
ai.google.dev 404 Not Found

読者ご自身で追試できます。1コマンドです。

curl -I -L https://docs.anthropic.com/llms.txt
curl -I -L https://platform.openai.com/llms.txt

ここから分かることは2点です。

第一に、置いている先はいずれも「開発者向けドキュメント」でした。膨大な技術文書をLLMに読ませるための索引として使われています。企業サイトの集客のために置かれているわけではありません。

第二に、AI企業だから置いているとは限らないということです。上記のURLではOpenAIとGoogleのドキュメントサイトから404が返りました。別のパスで公開している可能性は否定できないため、確認したURLをそのまま記載しています。

持ち帰り:「大手が導入済み」と言われたら、そのURLを実際に開いて確かめてください。検証に1分もかかりません。

当社はどうしていたか(正直に書きます)

本記事の以前の版は、llms.txtの設置を勧めていました。 雛形と設置手順を掲載し、「コストが小さく今日から自社でできる施策」と書いていました。当社サイトにも実際に設置しています。

2026年8月11日、上記のGoogle公式の記述を確認し、方針を改めました。今後、llms.txtの設置をSEO・AEOの成果施策として提案・請求しません。 すでに設置してあるものを撤去する必要はありませんが、「これで検索やAI検索に効く」という説明はしません。

あわせて自社ファイルを点検したところ、こちらにも直すべき点が見つかりました。代表者名の読みが同じファイル内の2箇所で食い違っており、経歴欄の企業名が文字化けしていました。AIに読ませるためのファイルを置きながら、その中身が間違っていたわけです。

ここに教訓があります。ファイルを置くことより、そこに書かれている情報が正確であることの方がはるかに重要です。誤った会社情報をAIに読ませれば、誤った回答が返ってくるだけです。

持ち帰り:llms.txtをすでに置いているなら、まず中身の正確さ(社名・所在地・代表者名・事業内容)を点検してください。

では、何をすればいいのか

Googleは「不要なこと」だけでなく「推奨すること」も書いています。同じAI最適化ガイドからの引用です。

  • ページがインデックスに登録され、クロール可能であること(表示の前提条件)
  • 「読者から役に立ち信頼できると思われるような独自性のあるコンテンツを書いてください」
  • セマンティック HTML を使用できる場合は使用することをおすすめします」(完璧である必要はない、とも書かれています)
  • 「優れたページ エクスペリエンスを提供してください」

そして、量産への戒めも明記されています。

> ページ数が多いからといってウェブサイトの品質が高くなったり、ユーザーとの関連性が高くなったりするわけではありません。

つまりAI検索向けの特別な小細工ではなく、中身のある情報を、機械が読める形で、きちんと公開するという当たり前の作業に戻れ、ということです。

持ち帰り:llms.txtを作る30分があるなら、自社にしか書けない情報を1本書くほうが効きます。

robots.txtは話が別(ここは実際に効く)

llms.txtと混同されがちですが、robots.txtは実際に効きます。 AIクローラーをブロックしていれば、そもそも読まれません。

注意すべきは、同じ会社のボットでも役割が分かれていることです。OpenAIの公式ドキュメントによれば、次のように区別されています。

  • GPTBot — 「GPTBot is used to make our generative AI foundation models more useful and safe」(モデルの学習用)
  • OAI-SearchBot — 「OAI-SearchBot is used to surface websites in search results in ChatGPT’s search features」(ChatGPT検索での表示用)
  • ChatGPT-User — 「ChatGPT-User is not used for crawling the web in an automatic fashion」(ユーザー操作に応じて動作)

出典:OpenAI公式ドキュメント「Bots」

そして重要なのが次の一文です。

> Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers.
> (OAI-SearchBotを拒否したサイトは、ChatGPTの検索回答に表示されません)

「AIに学習されたくないからGPTBotを止めた」つもりでOAI-SearchBotまで止めると、ChatGPTの検索結果から消えます。 学習の拒否と、検索での表示は別の設定です。

持ち帰り:自社のrobots.txtを開き、GPTBotとOAI-SearchBotが同じ扱いになっていないか確認してください。

ChatGPTやPerplexityはllms.txtを読むのか

正直に書きます。分かりません。

各社の公式ドキュメントを調べた範囲では、「llms.txtを読み取り、回答の生成に使う」と明言した資料は見つかりませんでした。読んでいる可能性も、読んでいない可能性もあります。

したがって当社は、効果が確認できないものを「効く」とも「無駄」とも断定しません。 断定できるのはGoogleについてだけで、それは公式が明言しているからです。

持ち帰り:「ChatGPTに効きます」と断言する説明を受けたら、根拠となる一次資料を見せてもらってください。

よくある質問

llms.txtは設置すべきですか?

SEO・AEOの施策としては不要です。Googleは公式に「無視される」と明記しています。ただしAIに読ませたい技術文書などがある場合は、その用途で置く意味はあります。費用をかけて外注する対象ではありません。

Googleはllms.txtを読みますか?

読みません。Google検索セントラルが「Google 検索ではそれらは無視されるため、サイトの Google 検索での表示やランキングに影響することはありません」と明記しています(2026年7月14日更新)。

すでに設置しています。削除すべきですか?

削除の必要はありません。害はありません。それより中身の正確さ(社名・所在地・代表者名・事業内容)を点検してください。誤った情報を置くことのほうが問題です。

ではAI検索対策として何をすればいいですか?

ページをインデックス登録・クロール可能にし、自社にしか書けない独自性のある情報を、セマンティックHTMLで公開することです。いずれもGoogleが公式に推奨している内容です。

robots.txtはどう設定すべきですか?

AIクローラーを一律にブロックしないでください。特にOpenAIのOAI-SearchBotを拒否すると、ChatGPTの検索回答に表示されなくなると公式に明記されています。学習の拒否(GPTBot)と検索での表示(OAI-SearchBot)は別設定です。

まとめ

llms.txtは標準ではなく提案であり、Googleは公式に「無視する」と明言しています。設置しても検索順位やAI概要への表示は変わりません。一方、robots.txtの設定は実際に効き、設定を誤るとChatGPTの検索回答から消えます。

当社は本記事の以前の版でllms.txtの設置を勧めていましたが、公式の記述を確認して方針を改めました。効くと確認できないものを、効くと言って販売しません。

AI検索での自社の見え方を確認したい場合は、AEO対策サービスのページから無料診断をご利用ください。