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Webマーケティング 採用サイト成功の鍵(1)ニーズ調査でわかる。採用サイトでのアピールポイント
2023年10月13日
採用サイト成功の鍵(1)ニーズ調査でわかる。採用サイトでのアピールポイント
採用サイト制作を行う際、多くの企業が直面する一つの大きな問題は、求職者が本当に何を求めているのかを正確に把握できないことです。
しかし、多くの企業は、求職者のニーズを深く理解する前に、採用サイトの制作を開始している場合があります。その結果、求職者と企業との間にギャップが生まれ、効果的な採用が難しくなる可能性が高まります。
そこで今回は、「ニーズ調査でわかること」をテーマに、ニーズ調査によってどういった事がわかり、その結果採用サイトの何が変わるのかについて解説します。
はじめにターゲットを定める?
ニーズを調査・分析する前、やっておくべき重要なことがあります。
それがターゲット層の明確化です。
新卒採用と経験者採用(中途採用)といった大まかなカテゴリーではなく、より緻密な層に焦点を当てることが重要です。
ここで役立つのがマーケティングでよく用いられる「STP分析」です。
はじめに、このSPT分析の一部を活用して求職者のターゲットを定めてみましょう。
プロセスは以下のように展開されます。
セグメンテーション(Segmentation):採用市場の求職者層の細分化
まず、求職者を特定の属性で分類・細分化し、セグメント(指標に基づいて区切ったまとまり)にわけます。
この時、「時頭が良い」など判断する人によってブレが生じる定性的な属性は使わず、定量的な属性で細分化することがコツです。
例えとして新卒採用であれば、文理、学部、専攻、大学、地域、志望業界などがセグメントに当たります。
ターゲティング(Targeting):最も効果的な求職者層の特定
セグメントを洗い出せたら、その中から自社がターゲットとするセグメントを選ぶ工程に入ります。
ここで大事なのは、自社にとっての現実的な視点です。理想像ばかり追い求め、非現実な人物像にならないよう注意しましょう。オススメのやり方は、現在自社で特に活躍している社員をベースに人物像を特定していくやり方です。どんな学校や学部に所属していたか。どんな就活をしていたか。ヒアリングなどを行い、その上で、現場と話し合いながら、将来必要となる人物像を特定していきましょう。
(ペルソナに似ていますが、ターゲティングは「集団」、ペルソナは「個人」と覚えておけば大丈夫です)
ポジショニング(Positioning)
最後にポジショニングにより、自社がターゲットに提供できる価値を明確化します。競合他社と比べ、自社が勝てる差別化ポイントも明らかにします。
ただし今回の主軸はターゲットを明確化ですので、「セグメンテーション」と「ターゲティング」に焦点を当てます。
「ポジショニング」における自社魅力の明確化や競合他社との差別化については、次回「採用サイト成功の鍵(2)3C分析でわかる。差別化のポイント」にて詳しく解説します。
このように、STP分析(その中でも「セグメンテーション」と「ターゲティング」)は採用活動においても非常に有用で、求職者の明確なターゲティングが可能になります。
ニーズ調査でわかる。採用サイトでのアピールポイント
ターゲットを明確にしたら、いよいよ求職者のニーズを深掘りします。
ターゲットとなる求職者が具体的に何を望んでいるのかを明確化することで、より効果的な採用サイトの制作が可能となります。
調査については「アンケート」や「統計データ」などを元に調査を行いますが、実際にどういったデータが得られ、それによって採用サイトがどう変わるのか、簡単な事例をもとに解説します。
ニーズ調査によってアピールポイントがわかる
ニーズ調査によって、アピールポイントが明確になる簡単な事例を紹介します。
今回の採用サイトのターゲットは、新卒の大学生とします。
2023年度卒業の就活生350名を対象にアンケートを取ったところ、「企業を選ぶ上で最も重要視するポイントは?」という質問に対して、以下の結果が出ました。
引用:株式会社L100
1位は「働きやすさ」という点で、約4割の学生さんが「働きやすさ」を望んでいることがわかります。
では、その「働きやすさ」が学生さんに伝わっているか?というとそうではないみたいです。
引用:株式会社L100
上記は同じ学生に「働きやすい企業の探し方がわかりますか?」というアンケートをとった結果です。
企業を選ぶ上で最も重要視するポイントとして、1位となった「働きやすさ」ですが、一方で「働きやすい企業をどのように探せば良いのかが分からない」と悩む就活生が約8割もいます。
このデータからわかることは、自社が働きやすい環境を提供しているのであれば、その魅力をいかに求職者、特に学生に対して効果的にわかりやすくアピールするかがカギとなるという点です。
そのためには、実例を用いることやビジュアルを活用する、または従業員の満足度調査や長期勤務率等の数字を出すなど、採用サイトで上手に働きやすさをアピールすることが大切となります。
ターゲットによりアピールポイントは異なる
次にニーズ調査の結果、ターゲットによってアピールポイントが異なる事がわかった簡単な事例を紹介します。
採用サイトのターゲットを経験者とし、(転職回数が3回以下の経験者は競争倍率も高くなるため)転職回数4回以上の経験者を狙っていく方針を決め、ターゲットを特定したとします。
以下のデータは転職回数毎に出した転職時に重要視する項目の調査結果です。
引用:Wantedly
「仕事内容のやりがい」は転職者にとって常に最優先の項目ですが、転職回数によって次に重視されるポイントが異なることに気づきましたでしょうか?転職回数が1~3回の人は「自己成長」を2位に挙げています。一方で、転職回数が4,5回の人では「給与水準」2位、続いて「勤務体系の柔軟性」が3位にランクインし、「自己成長」は4位か5位に後退します。
このデータを踏まえた際の採用サイトでのアピールポイントは、次のように考えられます。
ターゲット:転職回数が3回以内の人
アピールポイント:「仕事のやりがい」「自己成長」「給与水準」
ターゲット:転職回数4回以上の人
アピールポイント:「仕事のやりがい」「給与水準」「勤務体系の柔軟性」
特定するターゲット層によって、採用サイトで強調すべきアピールポイントやアピールの優先順が変わるのは明らかです。
これらは、あくまで簡単な事例ではありますが、それでも、採用サイトを作る上でターゲットの特定を行うことと、それにあったニーズを調べる重要性が理解いただけたのではないでしょうか。
まとめ
採用サイト制作を始める前に、「ターゲットの特定」とターゲットに沿った「ニーズ調査」を行う事がとても重要です。それにより、採用サイトで強調すべきアピールポイントが明確になります。また上記「転職者採用の事例」では、求職者ターゲットを「転職回数4回以上の人」と特定していましたが、自社の魅力や他社との差別化ポイントが「自己成長」だった場合、ターゲットを「転職回数1回目の人」に変えるのも一つの作戦です。
このように「ターゲットの特定」と「ニーズの調査」は相互に影響し合います。そのため「ターゲットの特定」と「ニーズ調査」のプロセスは行ったり来たりしますので、固定概念にとらわれず、多角的な視野でこれらの要素を考慮することが極めて重要です。
なおSTP分析やニーズの調査方法については、Webマーケティングのブログにて今後詳しく書いていきますので、お楽しみに。求職者のニーズを調査し、それにそった魅力を打ち出したとしても、競合と同じことをやっていては求職者の記憶には残りにくいかもしれません。次回の記事では、何を自社の魅力として打ち出していくか「差別化のポイント」に焦点を当てます。
分析を行い、それを採用サイトに反映するには、専門的な知識や時間がかかります。まずは悩む前にお気軽にご相談ください。一緒に悩みを解決しましょう。
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