制作ノウハウ 大企業が自社サイトでWordPressを使わない3つの理由
2021年07月27日
大企業が自社サイトでWordPressを使わない3つの理由
いまWEB業界で注目を集めるコンテンツマーケティングですが、頻繁に記事を更新するにはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)が必要です。CMSとは、WEB制作の専門知識がなくても、ブログなどの形でページを更新できるシステムのことです。
CMSには有料のものと無料のものがあります。無料のCMSで最も多く使われているのが「WordPress(ワードプレス)」です。今回は、多く使われているがゆえの問題点を見て行きたいと思います。
(1)攻撃されやすく、乗っ取られるリスクが高い
WEBサイトのセキュリティの重要性についてお話ししていると、「うちの会社は知名度もないし、一般消費者の個人情報を扱うわけでもないから、セキュリティに力を入れる必要はないよ」と言われることがあります。
しかし実際には、WEBサイトの攻撃に標的の知名度や企業規模は関係ありません。WEBサイトを攻撃する犯罪者は、無差別に全てのサイトを攻撃しています。その際に、最も多くのサイトで利用されているWordPress向けの攻撃を仕掛けているのです。
その際、WordPressを利用していないサイトにはあまり被害はありませんが、WordPressを利用しているサイトには被害が発生する可能性があります。
例えば、WordPressへのログインフォームのURLは初期設定では共通のため、WEBサイトのログインフォームにアクセスし、ランダムにIDパスワードを入力して不正にログインする、といった方法が考えられます。
そこでIDパスワードが予想しやすいものであったり、他のサービスを通じて流出したIDパスワードを当該サイトでも使いまわしていたりした場合に、容易にログインされることになります。
覚えやすいパスワードはある程度共通していることが多いですので、心当たりのある方はいますぐ覚えにくいパスワードに変更しましょう。
不正ログインされた場合に考えられるトラブルですが、パスワードを変更されて自分がログインできなくなることや、WEBサイトの内容を勝手に書き換えられることがあり得ます。その企業によって都合の悪い情報が掲載されたり、乗っ取られたことが露見したりしてブランドイメージを損なうこともあります。
もっと怖いのは、表面的にわからない形でウイルスを仕込まれ、そのWEBサイトにアクセスしただけでウイルス感染してしまうようにされることです。ウイルスに感染したパソコンから個人情報が流出するなど、二次的な被害が拡大することもあります。
ですから、WEBサイトは絶対に不正ログインされないように対策を打つ必要があるのです。
(2)制作コストがかえって高くつくことも
WordPressは無料のオープンソースです。具体的に言うと、プログラム一式が圧縮ファイルの形で公開されており、これを自社が契約しているWEBサーバーにインストールして利用します。
また、WordPressに機能を追加するときは、プラグインと呼ばれるサービスを利用できます。このプラグインは誰でも開発し、公開することができます。
機能だけでなく、デザインのテンプレートも自由に作成し、公開できるようになっています。こちらはテーマと呼ばれています。
このように、WordPressは機能を追加するにも、デザインを変更するにも、自分自身で行えば無料で済んでしまいます。その際、HTMLやPHPなどの、WEB制作用の専門知識は不要です。
このような背景があり、WordPressでWEBサイトを制作すれば費用を安く抑えられるというイメージが広がっています。実際のところはどうなのでしょうか?
ここでは、制作を専門の会社に依頼する場合で考えてみたいと思います。多くのWEB制作会社は、無料で公開されているテーマではなく、オリジナルのデザインを制作します。
クライアントによって、ターゲット(サイトを見て欲しい顧客)が異なりますし、ターゲットが異なると自ずとデザインやコンテンツも変わるからです。
これはシステムについても言えます。誰かがつくった汎用的なプラグインだけで、ターゲットのニーズを満たすWEBサイトを作れるかは不確定です。さらに、誰が作ったかわからないものが公開されているわけですから、不備や不正がないとは言い切れません。
結局、WEB制作会社はWordPressを使うとしてもデザインやシステム開発に工数を取られます。コストが必ず安くなるとは言い難いということになります。
(3)制作コストが安いところは
はじめに述べたようにCMSというのは誰でもWEBサイトを更新できるシステムと言えます。無料のテンプレートも多く世にでてますので、つまりWordPressを使えば、素人でもそれなりのページはできてしまうという事です。
WordPressを利用したホームページ制作をうたうフリーランサーも数多くいますが、独学で勉強した人も多く、その完成度はピンキリです。
そのため、ホームページを安く作ったけど、まったく効果がないといった事も多々あります。
これはちゃんとしたWEB制作会社に対応を依頼すれば解決しますが、数多く出回っている制作会社・フリーランスの中から、ちゃんとしたWEB制作会社を探すのは、それだけでコストがかかると言わざるを得ません。
まとめ
WordPressは、制作者の作業工数を無視すれば、無料でもそれなりのWEBサイトを構築できるため、とても利便性の高いサービスと言えます。しかし一方で、無料であるがゆえのリスクを抱えていることも認識して利用すべきでしょう。
安く済むというイメージがありますが、ちゃんとしたサイトを作りには手間暇がかかり、それなりに制作コストがかかるということを理解しておく必要があります。
また大手企業では、いまではWordPressで自社サイトを構築しない傾向が強いようです。WEB制作会社によっては独自のCMSを開発・提供していますし、有料のCMSの方がセキュリティ対策も比較的安心できます。
WEBサイトリニューアルの際は、そのへんの知識があり、WordPressありきではなく、いろいろな提案をしてくれる実績と経験のあるWEB制作会社を比較検討することをお勧めします。
当社もWordPressをはじめ、オリジナルのCMSを利用したサイト制作など、数多くの実績と経験があります。
お困りごとございましたら、いつでもお気軽にお問合せください。
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