採用ブログ 他責という呪縛から抜け出すコツ
2023年12月08日
他責という呪縛から抜け出すコツ
ITベンチャー企業に入社を検討している学生の皆さん、こんにちは。今回は、他責という態度が自分や組織にどのような影響を与えるかについて考えてみたいと思います。
他責とは、自分の行動や決定に対する責任を他人や環境に転嫁することです。例えば、「上司が指示を出さないから仕事ができない」「同僚がミスをしたからプロジェクトが遅れた」「競合が不正な手段を使っているから売上が下がった」などの言い訳や非難が他責の典型的な表現です。
他責は、自分の問題を解決するための逃げ道として使われることが多いですが、実は自分や組織にとって大きなマイナスになっていることをご存知でしょうか? また、この他責は、大手企業に多く蔓延している傾向もあります。その場合は、自分で改善することは大変困難かもしれません。
今回は、他責が個人的な影響、チームへの影響、組織への影響の3つの観点から分析し、またその他責という呪縛から抜け出す方法を探ります。
他責は自分と組織にどのような影響を与えるか
他責は個人から始まり、次第に時間をかけてチームと組織を蝕んでいきます。組織を蝕むと、個人では他責を防ぐことは不可能とも言えるかもしれません。また、このような組織に身を置き続けると、自分の未来も失ってしまいます。
この他責が、どのような弊害があり、広がっていくのかを見ていきましょう。
個人的への影響:自己認識の欠如
他責の態度をとると、自分自身に対する認識が低下し、以下のような問題が起こります。
- 自己認識の欠如と時間喪失
自分の行動や決定に対する責任を持たないことで、自己認識が低下します。自己認識とは、自分の感情や思考、価値観、強みや弱みなどを理解することです。 自己認識が高い人は、自分の行動や決定の原因や結果を分析し、自己評価や自己改善を行うことができます。 しかし、他責の態度をとると、自分の行動や決定に対して考える機会が奪われ、結果的に重要な考える時間がゼロとなります。自分の問題を他人や環境に押し付けることで、自分の成長や学習を妨げることになります。これにより、成長という未来がなくなってしまうのです。 - 問題解決能力の低下と依存増加
自分の過ちを他人のせいにすることで、問題解決能力が低下します。問題解決能力とは、問題の原因や本質を見極め、効果的な解決策を考え、実行する能力です。 問題解決能力が高い人は、自分の過ちを認め、反省し、改善することができます。しかし、他責の態度をとると、問題の原因や本質を見極めることができず、効果的な解決策を考えることができません。当然ながら解決案を実施して重要なフィードバックも得られません。 自分の過ちを認めないことで、トラブルが多くなって、自分の能力に自信を持てなくなり、前例や他人の意見に依存する傾向が強まります。 - ストレスと努力放棄
他人や環境を非難し続けることでストレスが増加します。ストレスとは、心身に負担をかける状態や感情です。ストレスが高い人は、不安や怒り、悲しみなどのネガティブな感情を抱きやすくなります。 また、ストレスが高い人は、努力する意味を見失います。自分の問題を他人や環境に転換することで、自分の力で変えることができないと思い込みます。その結果、自分の目標や夢に向かって努力することを放棄することになります。 私見ですが、サラリーマンがお酒を飲みに行った時に上司の悪口を言ってストレス発散をするということが散見されますが、その場は良くても、自分が行動をしないかぎり、そのストレスは無くなるはずもないと思っています。
チームへの影響:コミュニケーション問題
そして、他責の態度をとりづづけると、次には、チーム内の関係性や協力性が損なわれ、以下のような問題が起こります。
- 信頼の喪失と自信喪失
他責の態度はチーム内の信頼を損ないます。信頼とは、他人の能力や誠実さ、信頼性を評価することです。信頼が高いチームは、互いに尊重し、支援し、協力することができます。 しかし、他責の態度をとると、責任を外部に押し付け自分で責任を果たさないことになり、他人からの信頼を失います。また、自分がその問題に対して取り組まず、他人だけを非難することで、他人からの反感を買います。その結果、自分の能力を発揮できなくなり、自信を喪失することになります。 - 協力の障害と外部依存
他責の態度はチームワークを妨げます。チームワークとは、共通の目標に向かって協力することです。チームワークが高いチームは、互いに責任を分担し、助け合い、成果を出すことができます。 しかし、他責の態度をとると、自分の役割や貢献をレベルを下げ、チームでの成果を奪うことになります。また、問題を解決するために、自分ではなく他の権威や権力に頼る傾向が強まります。その結果、チームの一体感や協力性が低下することになります。このような人は、例として会議で自分の意見は言わず、権威のある「〇〇さんが〇〇と言っていた」と言う第三者の意見しか言わないということにも表れます。チームとしても白けてしまうというのは、想像に難しくはありません。 - コミュニケーションの問題と批評増加
他責の態度は効果的なコミュニケーションを妨げます。コミュニケーションとは、情報や感情を伝えたり受け取ったりすることです。ここでのポイントは、感情も伝えるということがコミュニケーションに含まれているということです。感情はとても重要です。 感情によって、意図である本気度がわかったりするからなのです。残念ながら他責の人はこの感情がほとんどありません。もしくは、相手を責める時だけ感情的になるというのが特徴の一つでしょう。 話を戻すとコミュニケーションが高いチームは、互いに意見やフィードバックを交換し、理解し合うことができます。しかし、他責の態度をとると、自分の意見や感情を正直に伝えないことで、他人との距離を作ります。 また、他人の意見や感情を尊重しないことで、他人との対立を招きます。その結果、ただ批評する立場になり、建設的なコミュニケーションができなくなります。
組織への影響:組織文化の劣化
多くのチームが他責の態度をとると、次第に組織内の生産性や創造性が損なわれ、そして最後には、以下のような問題が起こってしまいます。
- 生産性の低下と否定的影響
他責の態度が広がると、組織の生産性が低下します。なぜなら、他責の人は、自分の問題を解決するよりも、他人や環境を非難することに時間とエネルギーを費やすからです。また、他責の人は、自分のミスを隠したり、責任を転嫁したりすることで、組織の信頼や透明性を損ないます。 さらに、他責の人は、他人の成功を認めずに妬んだり、批判したりすることで、チームワークやコミュニケーションを阻害します。これらのことは、組織のパフォーマンスや品質に悪影響を与えるだけでなく、他人のモチベーションや自信を下げることにもなります。 - イノベーションの欠如
他責の態度は、新しいアイデアや革新的なアプローチを妨げます。他責の人は、自分の考えや行動に対して自信がなく、リスクを恐れてしまうからなのです。 また、他責の人は、自分の意見や提案に対して批判や反対があると、すぐに諦めたり、攻撃的になったりします。さらに、他責の人は、自分ではやらないのに、他人のアイデアや提案に対しても、否定的に捉えたり、協力しなかったりします。否定することで、その先まで自分は考えている、つまり自分は頭が良いということを周りに知らしめたいという欲求もあるのです。 これらのことは、組織の創造性や革新性に悪影響を与えるだけでなく、市場や顧客のニーズに対応できなくなることにもなります。 - 組織文化の劣化と諦観
他責の態度は、組織文化にも負の方向に影響を与えます。なぜならば、他責の人は、自分の成長や学習に対して消極的で、フィードバックや助言を受け入れないからです。 また、他責の人は、自分の目標や価値に対して曖昧で、組織のビジョンやミッションに共感しません。さらに、他責の人は、自分の人生や職場に対して諦観的で、変化や改善に対して抵抗するからです。 これらのことは、組織の文化や雰囲気に悪影響を与えるだけでなく、自分の幸福や満足にも悪影響を与えることにもなります。
ここまでを簡単にまとめると他責によって集団が無能になってしまいます。本当に恐ろしいことです。
他責は結果的に自分自身を苦しめるだけではなく、会社全体に蔓延すると成長はせず結果的に、さらに自分を苦しめることになります。他責は自分や周りに対しても大きな影を落とすことを、嫌というほど十分理解できたのではないかと思います。
他責という呪縛の克服法
ではどうやって克服をしていけばいいのでしょうか?
実際他責は誰にでも多かれ少なかれあるものですが、完全になくすということを目標とするのではなく、減らしていき、他責の対局にある自責へと転換していくことが重要です。
特徴 | 自責 | 他責 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
定義 | 問題や失敗を他人や外的要因のせいにすること。 | 自分の行動や決定に対する責任を認めること。 | ||||
結果への影響 | 否定的な結果を招き、改善の機会を見逃す。 | ポジティブな結果をもたらし、自己改善につながる。? | ||||
問題解決 | 問題に対して受動的で、解決策を提案しない。? | 能動的に問題を解決し、改善策を見つける。? | ||||
チームワーク? | チーム内の信頼を損ない、協力の障害となる。 | チームの信頼を構築し、協力を促進する。? | ||||
リーダーシップ? | リーダーシップの欠如を示し、影響力が低下する。? | 強いリーダーシップを示し、他者への影響力が高まる。? | ||||
個人的成長 | 個人的成長が停滞し、同じ過ちを繰り返すことがある。? | 継続的な自己成長と学習を促進する。? | ||||
他責 |
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問題や失敗を他人や外的要因のせいにすること。 |
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否定的な結果を招き、改善の機会を見逃す。 |
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問題に対して受動的で、解決策を提案しない。? |
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チーム内の信頼を損ない、協力の障害となる。 |
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リーダーシップの欠如を示し、影響力が低下する。? |
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個人的成長が停滞し、同じ過ちを繰り返すことがある。? |
自責 |
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自分の行動や決定に対する責任を認めること。 |
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ポジティブな結果をもたらし、自己改善につながる。? |
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能動的に問題を解決し、改善策を見つける。? |
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チームの信頼を構築し、協力を促進する。? |
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強いリーダーシップを示し、他者への影響力が高まる。? |
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継続的な自己成長と学習を促進する。? |
実際に他責は、自己防衛のために無意識に使ってしまうものです。これは一種の呪縛とも言え、なかなか脱することが難しいと思います。 そうは言っても、他責の悪影響を避けるために、どのようにすれば少しずつでも克服していけるのでしょうか。ここでは、他責の克服法として、以下の三つのステップを紹介します。
ステップ1:自己認識と自己受容
他責の克服のステップ1は、自分の感情や思考や行動に対して自覚することです。自分が他責の態度をとっているときには、どのように感じているか、どのように考えているか、どのように言っているか、どのようにしているかを観察しましょう。
そして、自分の失敗や問題に対して、他人や環境のせいにするのではなく、自分の責任や役割を認めましょう。また、自分の短所に対して、否定的に捉えるのではなく、受け入れましょう。受け入れなければ、短所に対して、自信が無くなるのは、もちろん、ただ目をつぶることになり、何も解決しません。
よって自分を客観的に理解し、自分を素直に認めることで、自分の自尊心や自信を高めるようにしていくのです。
ステップ2:自己改善と自己成長
他責の克服のステップ2は、自分の問題や課題に対して積極的に取り組むことです。自分が失敗したり、困難に直面したりしたときには、他人や環境を非難するのではなく、自分の改善点や学習点を見つけましょう。
そして、自分の目標や計画に対して明確にし、自分の行動や結果に対して評価し、自分のフィードバックや助言に対して反省しましょう。また、自分の意見や提案に対して批判や反対があったときには、すぐに諦めたり、攻撃的になったりするのではなく、他人の視点や意見を聞き、自分の考えやアプローチを修正しましょう。そして、最も大事である「行動」することも、お忘れなく。
自分の問題や課題に対して前向きに対処することで、自分の能力やスキルを向上させることができます。
ステップ3:自己表現と自己貢献
他責の克服のステップ3は、自分の考え方や責任に対して積極的に発信することです。そして、自分が成功したり、目標を達成したりしたときには、他人のおかげだと言うのではなく、自分の努力や貢献を誇りに思いましょう。もちろん、周りに自慢をしてまわるのは、あまりよくはありませんが。
そして、自分の感謝や賞賛に対して謙遜になるのではなく、素直に受け取りましょう。また、自分の長所や特徴に対して隠すのではなく、自信を持って発信しましょう。
さらに、自分の考え方や責任に対して曖昧になるのではなく、明確に積極的に相手に伝えていきましょう。このことで、きっと自分の存在感や影響力を高めることができます。
そして、気づくと自尊心が芽生えそして行動力が増すこともお約束できます。
このセクションのまとめとして、他責と自責の比較表をご覧ください。
特徴 | 自責 | 他責 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
定義 | 問題や失敗を他人や外的要因のせいにすること。 | 自分の行動や決定に対する責任を認めること。 | ||||
結果への影響 | 否定的な結果を招き、改善の機会を見逃す。 | ポジティブな結果をもたらし、自己改善につながる。? | ||||
問題解決 | 問題に対して受動的で、解決策を提案しない。? | 能動的に問題を解決し、改善策を見つける。? | ||||
チームワーク? | チーム内の信頼を損ない、協力の障害となる。 | チームの信頼を構築し、協力を促進する。? | ||||
リーダーシップ? | リーダーシップの欠如を示し、影響力が低下する。? | 強いリーダーシップを示し、他者への影響力が高まる。? | ||||
個人的成長 | 個人的成長が停滞し、同じ過ちを繰り返すことがある。? | 継続的な自己成長と学習を促進する。? | ||||
他責 |
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問題や失敗を他人や外的要因のせいにすること。 |
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否定的な結果を招き、改善の機会を見逃す。 |
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問題に対して受動的で、解決策を提案しない。? |
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チーム内の信頼を損ない、協力の障害となる。 |
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リーダーシップの欠如を示し、影響力が低下する。? |
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個人的成長が停滞し、同じ過ちを繰り返すことがある。? |
自責 |
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自分の行動や決定に対する責任を認めること。 |
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ポジティブな結果をもたらし、自己改善につながる。? |
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能動的に問題を解決し、改善策を見つける。? |
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チームの信頼を構築し、協力を促進する。? |
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強いリーダーシップを示し、他者への影響力が高まる。? |
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継続的な自己成長と学習を促進する。? |
まとめ
以上、他責の悪影響とその克服法についてお話してきました。他責の態度は、組織にも自分にも悪影響を及ぼしますが、自己認識と自己受容、自己改善と自己成長、自己表現と自己貢献の三つのステップを踏むことで、他責の克服が可能です。
AliveCastでは、他責にならないように、各自がお互いに業務中に気づいたことをフィードバックをする仕組みを持っています。それが、個人が成長し、活躍し、満足ができる成果を手に入れる道であると思っているからです。
ITベンチャー企業に入社を検討している学生の皆さんは、もちろんですが、入社するとその会社の雰囲気にのまれてしまい、いつの間にか他責の自分にならないように、しっかり頑張ってください。
もし他責になりそうな時には、AliveCastに入社するのも一つの手かもしれませんね。(笑) 他責の態度を捨てて、自責の態度を身につけましょう。そうすれば、組織の発展にも自分の幸せにもきっとつながるでしょう。