2026年08月07日

制作ノウハウ

ホームページリニューアル費用の内訳|標準単価を公開

ホームページリニューアル費用の内訳|標準単価を公開

ホームページリニューアルの見積が「一式 300万円」の1行で来たら、その見積は比較できません。金額の妥当性は総額では判断できず、何にいくらかかっているかでしか判断できないからです。この記事では当社の標準単価を項目別に公開し、10ページ構成のコーポレートサイトを実際に積算して、160万〜250万円という数字がどこから出てくるのかを示します。

「一式」の見積書が通らない理由

総額1行の見積書は、決裁者に「承認」か「差し戻し」の二択しか与えません。

内訳がないと、次の3つが判断できません。

1. 高いのか安いのか — 比較対象がない
2. 削れるのか — どこを減らせば安くなるか分からない
3. 他社と同じ土俵か — 300万円の中身が各社バラバラなら、最も範囲の狭い見積が最安に見えるだけ

とくに2番が効きます。内訳があれば決裁者は全否定ではなく減額修正で承認できます。「原稿と写真は社内で用意するから、その30万は落として」と言えるからです。総額1行だと、その会話ができません。

持ち帰り: 見積を依頼するとき、最初に「内訳が項目別に分かれた見積書でください」と伝えてください。総額しか出さない会社もあります。それ自体が判断材料になります。

リニューアル費用の内訳(当社の標準単価)

当社が実際に使っている価格表から、リニューアルで使う項目を公開します。2026年8月時点、すべて税別です。

① 設計・戦略

項目 標準単価 何をするか
現状分析・競合調査 80,000円 現行サイトのGA4分析・競合調査・ポジショニング整理
KPI策定 150,000円 問い合わせ数・CVR・流入数などの目標値設計
サイトマップ策定 80,000円 サイト全体のページ構成・ナビゲーション設計
ワイヤーフレーム作成 30,000円/ページ 主要ページの骨格設計
コンテンツ案策定 80,000円 ブログ・コラム等で追加するコンテンツ案

② デザイン

項目 標準単価
PC トップページ 100,000円/ページ
PC 下層ページ(主要テンプレート) 50,000円/ページ
PC その他静的ページ(会社概要・規約等) 15,000円/ページ
SP トップページ 50,000円/ページ
SP 下層ページ 25,000円/ページ
画像選定・加工 20,000円

③ コーディング

項目 標準単価
PC トップページ 100,000円/ページ
PC 下層ページ 50,000円/ページ
PC その他静的ページ 15,000円/ページ
レスポンシブ対応(トップ/下層/その他) 30,000円/15,000円/5,000円
プライバシーポリシーページ 15,000円

④ CMS・機能

項目 標準単価
WordPress構築 150,000円
お問い合わせフォーム実装(スパム対策込み) 40,000円
ブログ機能 35,000円
新着情報機能 20,000円
アクセス解析設定(GA4・Search Console連携) 30,000円
コンテンツ流し込み 8,000円/ページ

⑤ SEO・AEO(任意)

項目 標準単価
SEO現状分析 50,000円
キーワード設計 150,000円
構造化データ実装(JSON-LD) 80,000円
FAQPage・HowToマークアップ 50,000円
E-E-A-Tコンテンツ整備 100,000円
AEO対策フルパッケージ(上記をまとめて) 280,000円

⑥ 進行管理・運用

項目 標準単価
ディレクション費 制作費合計の10%(最低50,000円)
保守・運用プラン(ライト/スタンダード/プレミアム) 月20,000円/50,000円/100,000円

持ち帰り: 他社の見積を受け取ったら、この一覧と項目名で突き合わせてください。項目が足りなければ「その分は誰がやるのか」を聞けます。よく抜けているのはワイヤーフレーム・アクセス解析設定・ディレクション費の3つです。

10ページのコーポレートサイトを実際に積算する

表を眺めても金額感は掴めないので、実際に足します。

前提: トップ1ページ+主要テンプレート下層3ページ(サービス・実績・採用)+その他静的6ページ(会社概要・お問い合わせ・規約等)=計10ページ。写真と原稿は既存流用。

最小構成(設計とSEO/AEOを絞る場合)

現状分析・競合調査           80,000
サイトマップ策定             80,000
ワイヤーフレーム 30,000×5   150,000
デザインPC  Top/下層/その他 100,000 + 150,000 + 90,000
コーディングPC Top/下層/他  100,000 + 150,000 + 90,000
レスポンシブ Top/下層/その他 30,000 + 45,000 + 30,000
プライバシーポリシー         15,000
WordPress構築              150,000
フォーム / ブログ / 新着      40,000 + 35,000 + 20,000
アクセス解析設定             30,000
コンテンツ流し込み 8,000×10  80,000
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制作費合計               1,465,000
ディレクション費(10%)    146,500
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合計                     1,611,500 円(税別)

フル構成(KPI策定・SP個別デザイン・SEO・AEOを含む場合)

上記に KPI策定 150,000 / SPデザイン一式 173,000 / 画像選定・加工 20,000 / SEO現状分析 50,000 / キーワード設計 150,000 / AEO対策フルパッケージ 280,000 を加えて、

制作費合計               2,288,000
ディレクション費(10%)    228,800
────────────────────────────────
合計                     2,516,800 円(税別)

つまり10ページ規模なら、おおむね160万〜250万円です。ページ数が増えれば下層ページの単価×枚数で素直に増えます。

持ち帰り: 自社の想定ページ数を「トップ/主要テンプレート/その他静的」の3種に仕分けてから見積を依頼してください。この3分類ができていれば、各社の見積の差が単価の差なのか、数え方の差なのかが判別できます。

相場データと当社の見積が合わない理由

正直に書きます。外部の相場データより、当社の金額は高く出ます。

ランサーズが公開している発注実績の集計では、ホームページリニューアルの費用は平均138.2万円・中央値88.6万円と報告されています。当社の最小構成161万円は、この中央値の約1.8倍です。

差が出る理由は3つあります。

1. 集計の母数が違う — 全国・全業種の発注実績で、5ページのサイトも50ページのサイトも混ざっています。ページ数を揃えた比較ではありません
2. 設計工程を含むかどうか — 現状分析・KPI策定・ワイヤーフレームで当社は31万円を計上します。デザインから始める見積にはこれが入っていません
3. フリーランスと制作会社の違い — 発注プラットフォームの集計には個人への発注が多く含まれます

どちらが正しいという話ではありません。「デザインを新しくして公開まで」だけなら、88.6万円で成立する見積は実在します。設計とSEO/AEOに投資するかどうかの違いです。

持ち帰り: 相場データを稟議書に載せるときは、必ず「自社要件との差」を1行添えてください。「中央値88.6万円」だけを根拠にすると、要件が入らないまま発注して作り直しになります。

どこを削れるか、削ってはいけないか

内訳が出れば削る相談ができます。ただし削る順番があります。

削りやすい(社内で吸収できる)

  • コンテンツ流し込み 8,000円/ページ … 既存原稿をCMSに入れる作業。社内でやれば10ページで8万円落ちます
  • 画像選定・加工 20,000円 … 使う写真が決まっていれば不要
  • SP個別デザイン … レスポンシブ対応で足りるなら、SPカンプの作成費が落ちます

削ると後で高くつく

  • ワイヤーフレーム 30,000円/ページ … 骨格を決めずにデザインへ進むと、デザイン段階での手戻りが発生します。デザインは1ページ10万円なので、作り直すほうが高くつきます
  • アクセス解析設定 30,000円 … これを削ると、公開後に「効果があったか」を答えられません。稟議書に書いた効果測定が実行できなくなります
  • ディレクション費 … 進行管理を外すと、社内の窓口の方が実務調整を全部引き受けることになります

持ち帰り: 減額を相談するときは「総額をあと◯万円下げたい。どこを落とすのが影響が小さいですか」と聞いてください。「安くして」より具体的な代案が返ってきます。

公開後にかかる費用

リニューアルは初期費用だけでは終わりません。稟議書の費用欄には運用費も併記してください。

項目 費用
保守・運用プラン ライト(月1回更新・セキュリティ監視・障害対応) 月20,000円
同 スタンダード 月50,000円
同 プレミアム(月8回更新・SEO/AEO月次レポート・優先対応) 月100,000円
サーバー・ドメイン 契約先により変動

いずれも最低6か月契約です。年額に直すと24万〜120万円で、3年使えば初期費用と同じ規模になります。ここを見ずに初期費用だけで比較すると、総額の判断を誤ります。

持ち帰り: 相見積もりを取るときは「初期費用と、公開後3年間の運用費の合計」で並べてください。初期が安く運用が高い見積は、その形では気づけません。

この記事の限界

  • 掲載した単価は当社の2026年8月時点の標準単価です。業界平均でも他社の価格でもありません
  • 積算は10ページ・既存素材流用という特定の前提での試算です。ページ数・機能・素材のご支給範囲で変わります
  • 実際のご提案では、要件を伺ったうえで項目を取捨します。この記事の金額をそのままお見積りとして扱うことはできません
  • 公開直前に自社サイトの記載を訂正しました。当初「130万〜250万円」と書いていましたが、ディレクション費の積み忘れで下限が過小でした。積算し直して160万〜250万円に修正しています。金額を出す以上、こういう間違いは起こり得ます

よくある質問

なぜ標準単価を公開しているのですか?

内訳が分からないと発注側が比較できず、結果として「最も範囲の狭い見積が最安に見える」比較になってしまうためです。当社の単価を先に示しておけば、他社の見積と項目名で突き合わせられます。

この金額から値引きはできますか?

一律の値引きは行っていません。項目を削る(社内で用意する・次期に回す)ことで総額を下げるご相談は可能です。どこを落とすと影響が小さいかは、要件を伺ったうえでご提案します。

ページ数が10ページより多い場合はどうなりますか?

下層ページは「主要テンプレート」と「その他静的ページ」で単価が3倍以上違います(デザインで50,000円と15,000円)。同じ体裁のページが増えるだけなら、その他静的ページの単価で加算されます。

補助金は使えますか?

時期と制度によって変わるため断定しません。ただし交付決定前に契約すると対象外になる制度がある点だけ先に確認してください。スケジュールの逆算に直接影響します。