2026年08月08日

制作ノウハウ

ホームページリニューアルの進め方|相談から提案・見積までに何が起きるか

ホームページリニューアルの進め方|相談から提案・見積までに何が起きるか

ホームページリニューアルの相談は、問い合わせ → ヒアリング → 提案・見積 → 契約 → 制作 → 公開の順で進みます。当社の場合、見積までは無料で、問い合わせから公開まではおおむね2.5〜4か月です。この記事では「相談したら何を聞かれ、何を決めることになるのか」を、当社が実際に使っているヒアリングの設問の絞り方まで含めて公開します。

相談から公開まで、何がどの順で進むか

先に全体像を出します。リニューアルは「発注してから制作が始まる」のではなく、発注前に決めることのほうが多い工程です。

段階 やること 主体 目安
① 問い合わせ フォームから連絡。折り返し担当者から連絡 発注側 数日
② ヒアリング 現状の課題・目的・範囲を整理する打合せ(無料 双方 60分×1〜2回
③ 提案・見積 ヒアリングを基に構成案と見積を提示(無料 制作会社 1〜2週間
④ 契約・着手金 契約書2通の取り交わし+見積の半金を入金 発注側 数日〜社内決裁次第
⑤ 制作 取材・初回打合せ・デザイン・コーディング(STEP05〜13) 制作会社中心 最低1か月半〜2か月
⑥ 公開・納品 最終確認 → 公開 → 残金の請求 双方 切替に2日〜1週間
⑦ 運用 更新方法の説明。納品後1か月は無償で軽微修正 双方

ここで見落とされやすいのが④と⑤のあいだです。当社では、お問い合わせをいただいてから翌月〜翌々月の制作開始になるのが一般的です。制作案件の状況によって着手時期が決まるためで、契約したその週から手が動くわけではありません。

したがって逆算はこうなります。

公開希望日
  ← 制作期間           1.5〜2か月
  ← 制作開始までの待ち   1〜2か月
  ← 提案・見積・契約     2〜4週間
  ← ヒアリング          1〜2回
────────────────────────────
問い合わせは公開希望日の 2.5〜4か月前

持ち帰り: 公開したい日(年度替わり・周年・展示会など)が決まっているなら、その4か月前に問い合わせてください。3か月を切っている場合は、それでも相談は可能ですが「何を削れば間に合うか」の話から始まります。工程ごとの中身と短縮できる/できないことはホームページ制作の期間は?工程別スケジュールと短縮のコツに分けて書いています。

相談する前に、社内で決めておくと話が2回分早く進む

「まだ何も決まっていないので相談できない」と考える必要はありません。ただし、次の3つだけは事前にあると、初回のヒアリングで見積まで届きます。

1. なぜ今リニューアルするのか(社内の誰の、どの困りごとが起点か)
2. 今のサイトで、残すもの/捨てるものの見当(全ページ作り直しか、一部か)
3. 決裁のしかた(誰が決めるのか、稟議は要るのか、いつまでに)

3番が最も飛ばされます。ここが曖昧なまま進むと、提案書ができてから「役員会にかけるので体裁を変えてほしい」となり、平気で3週間ずれます。稟議が要る場合の書き方はホームページリニューアルの稟議書|通る書き方とテンプレートにまとめました。

なお1番については、「そもそも今リニューアルすべきか」の判断材料をホームページリニューアルのご案内に「リニューアルすべきタイミングの見分け方」としてまとめています。この記事は「やると決めた後」から始めます。

デザインの希望は、この時点では「なんとなく」で構いません。ただし当日は必ず具体化を求められます。

  • ❌ 悪い例: 「おしゃれで今っぽい感じにしたい」
  • ✅ 良い例: 「A社(URL)の余白の多さと写真の大きさが良い。B社(URL)は情報量が多すぎて避けたい」

当社は制作前にイメージに近いサイトを3つお伺いしています。目的は好みの当てっこではなく、「すっきり」「派手すぎない」といった言葉のズレを画で消すことです。ここが合っていると、デザインの再提案が減り、制作スケジュールそのものが短くなります。

持ち帰り: 相談の前に、参考サイトを3つブックマークして「どこが良いと思ったか」を1行ずつ添えてください。所要10分で、後工程が1〜2週間変わります。

初回の相談で何を聞かれるか(当社の設問の絞り方を公開します)

60分の打合せで聞ける設問は20問前後です。当社の設問バンクには12セクション・40問以上ありますが、全部並べると必ず溢れ、先方の時間を使った尋問になります。そこで2026年8月から、次の基準で当日の設問を絞っています。

階層 基準 典型的な問い 当日の扱い
A. 見積が動く 答えが金額・工数・スコープを変える 対象範囲/ページ数と階層/必要な機能/予約・決済など外部連携/自社で更新するか/既存サーバー・ドメイン・CMSの移管/多言語/写真は支給か撮影か/保守範囲/予算と公開時期 必ず当日(15〜18問)
B. 提案の骨格が動く 答えが「何を一番手に出すか」または決裁を変える なぜ今リニューアルか/成功の定義/トップで1スクロールしか見てもらえないなら何を見せるか/参考サイトのどこが良かったか/決裁者・比較軸・提出期限 当日・ただし4〜6問(5 Whysで深く)
C. それ以外 提案書を書くときに要るが、当日でなくてよい ブランドイメージを表す3語/数字素材/トンマナの細部/コンテンツ棚卸しの詳細 当日は聞かず、宿題としてメールで後追い

判定は1行です。「その答えで、見積の数字か、提案の1ページ目か、決裁の可否のどれかが変わるか?」どれも変わらなければCに落とします。

もうひとつ守っているのが順番です。A(範囲・機能・費用)から入らず、B(背景・目的)で始めてAで詰め、最後にB(決裁・提出期限)で締めます。いきなり「ご予算は?」から入ると、目的の話がその後もう戻ってきません。

そして、すでにメールに書いていただいたことは設問にしません。当日は「〇〇とのことでしたが、これは△△という理解でよろしいですか」という確認から入ります。

持ち帰り: 相談前に、上の表のA列(見積が動く問い)に自分なりの仮の答えを書いてみてください。答えられない項目がそのまま、当日いちばん時間を使うべき論点です。分からないままで構いません。分かっていないことが分かっている状態で来ていただければ、その場で一緒に決められます。

大手・複数部門の案件は、ヒアリングを2回に分けます

ここが他社の説明と最も違う部分だと思うので、内容をそのまま出します。

次のいずれかに当てはまる案件は、当社はヒアリングを1回で終わらせません

  • 窓口の方が決裁者でない(稟議・役員決裁がある)
  • 要件がマーケ/採用/情シス/現場など複数部門に跨る
  • 従業員数・拠点数が多く、現場の実態を窓口が把握しきれない
  • 相見積もりで、まず金額を土俵に乗せる必要がある

1回で全部やろうとすると、金額も詰まらず提案も刺さらないまま「持ち帰ります」で終わります。そこで、目的の違う2回に分けます。

第1回:見積のための回 第2回:提案を通すための回
目的 お見積りを出せる状態にする 御社のご意見を織り込み、「自分たちの案」として受け取っていただく
こちらの動き 聞く 見せて、反応をもらう
中身 範囲/ページ数の規模感/機能/外部連携/素材の支給範囲/既存環境と移管/保守範囲/予算・時期/決裁フロー 構成案(サイトマップ)/トップの見せ方/キーメッセージ案/デザイン方向2案/優先順位
持参物 現状サイトを見た気づき たたき台(ラフ構成・トップ案・コピー案)
記録 要点でよい ご発言を逐語で書き取る
成果物 お見積り 御社の言葉が入った提案書
ご同席 窓口の方1名で可 決裁に関わる方・現場の方にご同席いただけると効く
所要 60分 60〜90分

第2回に白紙で行って「どう思いますか」と聞くのは禁止にしています。理由は情報収集ではないからです。人は自分の意見が入ったものを受け入れます。第2回で出た言葉をそのまま提案書に載せると、提案は「制作会社の売り込み」ではなく「一緒に作った案」になり、窓口の方が社内で上申するときの言葉がその方自身の言葉になります。第2回の目的は当事者化であって、設問を増やすことではありません。

だから第2回のシートは設問集にしません。「たたき台 → ご意見欄」の対で作り、各案について聞くのは3つだけです。①近いか遠いか ②どこを直したいか ③なぜそう思われたか。

持ち帰り: 相談する側から「次回はラフ案を持ってきてください」と依頼して構いません。むしろ言ってください。たたき台のない打合せを2回やるより、1回目で金額、2回目でラフ案という進め方のほうが、社内の合意形成は早く進みます。

提案と見積を受け取ってから、契約までに決めること

提案書が出たら、比べるのは総額ではありません。

  • 範囲が同じか — ページ数の数え方(トップ/主要テンプレート/その他静的)が各社でズレていると、最も範囲の狭い見積が最安に見えます
  • 内訳があるか — 内訳があれば「原稿は社内で用意するのでその分を落として」という減額修正での承認ができます。総額1行だとその会話ができません
  • 公開後の費用が入っているか — 保守は月2万〜10万円で、3年使えば初期費用と同じ規模になります

項目別の標準単価と10ページ構成の積算例(160万〜250万円)はリニューアル費用の内訳|標準単価を公開しますに全部出しています。他社の見積と項目名で突き合わせる用に使ってください。

契約時の実務は次のとおりです。当社の場合、契約書を2通お送りし、ご署名・捺印のうえ1通をご返送いただきます。あわせて見積の半金を着手金としてご請求し、契約書の到着とご入金の両方が確認できてから制作を開始します。残りの半金は納品後です。

持ち帰り: 相見積もりを取るなら「初期費用と、公開後3年間の運用費の合計」で並べてください。初期が安く運用が高い見積は、初期費用だけの比較では見抜けません。

相談だけして発注しなかった場合はどうなるか

ここが「いきなり問い合わせるのは怖い」の正体だと思うので、はっきり書きます。

当社はヒアリングと提案・見積までを無料で行っています。提案の内容がご要望と合わなければ、そこで終わりです。その後に電話やメールでの追いかけをすることはありません。

そのうえで、相談側に負担がまったくないとは書きません。正直に3つ挙げます。

1. 時間はかかります。 ヒアリングは60分、二段階なら計2回。日程調整も含めれば実質半日は使います
2. 宿題が出ます。 数字素材・ロゴやブランドガイドライン・参考サイトURL・既存サーバーとドメインの情報。これらは社内で探す作業が発生します
3. ヒアリングには決裁に関われる方のご同席をお願いしています。 方向性を確認する場なので、持ち帰り前提の同席だと2回目が必要になります

「まだ社内で決まっていないので、まず概算だけ知りたい」という段階であれば、この記事と費用の内訳を読むだけで用が足りるように書いてあります。問い合わせずに社内検討を進めていただいて構いません。

持ち帰り: 問い合わせフォームに「概算だけ知りたい段階です」と1行書いてください。訪問ではなくメールでの概算回答に切り替えます。段階に合わない打合せを設定しないための、こちら側の運用です。

正直に書いておきます:当社のページも、この説明に追いついていません

この記事に書いた二段階ヒアリングは、2026年8月3日に社内で定義したばかりの進め方です。

そのため、当社の制作の流れページは、つい先日まで「STEP02 ヒアリング」の1回きりの説明のままでした。同ページには「決定権者の方の参加をお願いしています」と書いていますが、これは窓口の方が決裁者であることを前提にした書き方で、稟議のある大手企業の実態には合っていませんでした。合わないことに気づいたから二段階に分けた、という順序です。この記事を公開した2026年8月8日に、同ページへ二段階ヒアリングの説明を追記しました。運用が先に変わり、サイトの記述が後から追いついた形です。

もうひとつ、この記事を書いた理由も開示します。当社のホームページリニューアルのご案内ページは、「サイト リニューアル 相談」「ホームページ リニューアル 相談」などの検索で、Googleに71〜93位で当てられていました(2026-08-07、Search Console・国内180日実測)。順位が低いのは当然で、そのページには「相談したら何が起きるか」がどこにも書かれていなかったからです。表示回数自体は180日で10回と小さく、この記事を出しても検索流入が急に増えることはありません。それでも書いたのは、すでにサイトに来ている方が抱く「問い合わせたら何をされるのか」という不安に、こちらから答えていなかったためです。

持ち帰り: 制作会社を選ぶとき、「初回の打合せで何を聞かれるか」を事前に開示しているかは判断材料になります。開示できるということは、聞く内容が設計されているということです。

この記事の限界

  • 記載した期間・進め方・支払い条件は当社(株式会社AliveCast・福岡市博多区)の運用です。業界標準でも他社の条件でもありません
  • 「2.5〜4か月」は当社の標準的な制作案件での目安で、ページ数・機能・素材のご支給状況で前後します。原稿と写真の準備が滞ると、この見積もりは簡単に崩れます
  • 二段階ヒアリングは2026年8月に定義した運用で、まだ運用実績が少ない進め方です。効果の定量的な検証(受注率がどう変わったか)はできていません
  • 相見積もりの比較軸は当社の考え方であって、これを満たさない見積が悪いという意味ではありません

よくある質問

相談や見積は無料ですか?

ヒアリングとご提案・お見積りのご提示までは無料です。契約後、見積の半金を着手金としてご請求し、残りの半金は納品後のご請求となります。

まだ社内で何も決まっていない段階でも相談できますか?

可能です。ただし「なぜ今リニューアルするのか」「決裁は誰がどう行うか」の2点だけ、事前に見当をつけておくと初回の打合せで見積まで届きます。決まっていない場合は、その整理から一緒に行います。

ヒアリングには誰が出席すればよいですか?

サイトの方向性を確認する場なので、決裁に関われる方のご同席をお願いしています。稟議や役員決裁があり窓口の方が決裁者でない場合は、ヒアリングを2回に分け、2回目にたたき台を持参して関係部署の方にもご同席いただく形をおすすめしています。

公開希望日が決まっている場合、いつ相談すればよいですか?

公開希望日の4か月前が目安です。当社の場合、お問い合わせから制作開始までが翌月〜翌々月、制作期間が最低1か月半〜2か月かかるためです。3か月を切っている場合は、範囲を絞って間に合わせる相談から始めます。